JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

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【情報 TNX】終戦記念日 2024

JH7VHA の柴田さんから、昨年の記事の続編として投稿していただきました。

今回、柴田さんは戦時中に使用されていた電鍵の写真と共に、アマチュア無線を通じて行っている平和への祈りと、彼自身の家族が体験した戦争の記憶について綴られています。特に、8月15日という特別な日に込められた思いを共有してくださっていますので、ぜひご一読ください。

www.jh1lhv.tokyo


以下、JH7VHA 柴田さんから頂いたメールです。

今年も、もうすぐ「終戦の日」を迎えます。

アマチュア無線を再開した2年前から、8月15日に、先の大戦で亡くなられた英霊たちに感謝と哀悼の意を込めて電信を打っています。

「ニッポンハ セカイイチ ヘイワデ ユタカナ クニニ ナリマシタ ヤスラカニ」

亡くなられた方々は、世界中で数えきれません。

多くの国々が、戦争の反省、復興の努力をして、理解しあい、平和が訪れました。
その平和を乱す戦争が、世界では今日も行われています。
今年は電文に「セカイヘイワヨ エイエンナレ」を追加したいと思っています。

電鍵は「旧日本海軍の飛行機用電鍵」を使用します。



同盟国となったアメリカ製のトランシーバー「KWM-2」で送信します。
世界最高峰の日本製トランシーバー「IC-7851」でモニターします。



旧日本軍の「モールス信号の訓練」は、すごいものだったようです。
食料が不足して栄養が十分に取れないなか、激しく体力を使う訓練



精神力を鍛える訓練



そして、モールス信号の訓練



誤字1字につき、「ケツバット1回」 



「必死で覚えた」と元通信兵は YouTube で語っておられます。

戦争を語り継ぐ方々は、皆高齢になられ
体力と気力を振り絞り、戦争の悲惨さを伝えてくださっています。
次に戦争の悲惨さを次世代に伝える責任があるのは、親や祖父母、叔父叔母などから
戦争中や戦後の混乱期の話を聞いたことがある、我々ではないでしょうか?

子供の頃、母から聞いた話です。
戦争中(戦後も)、祖母は、食料を調達するために、幼い娘(母)を連れて
汽車に乗って隣の県まで足を運んでいました。
母の家は古着屋を営んでいて、その商品を持って食べ物と交換していたそうです。
幼い娘を連れて行ったのは、同情を買うためや
仕入れた食料を隠し持たせるためだったようです。
「着物1枚」と交換してもらえるのは「米1升」でした。
その米を娘の懐に忍ばせて帰りの汽車の中、見つかって没収されたこともあったそうです。

戦後間もなくの話です。私の母は、三女でしたが、次女が結婚するときに、祖母は
なんとかお酒を振る舞いたく、「どぶろく」を1升用意していました。
その話はどこからか漏れて、家に税務署が来ました。
二階の屋根裏に隠していたのですが、ちょうどその頃、身重の長女が二階で寝ていました。
長女は、とっさに一升瓶をかかえて、布団にくるまりました。
税務署員が「なんだ、病人か」と言ってその場はしのげたそうです。
「叔母ちゃん、グッジョブ」
そのような経験からでしょう、母も祖母も「食べ残し」には、厳しかったことを憶えています。

父は、徴兵に備えて、相撲で体を鍛えていたそうです。筋肉は隆々でした。
ただ、カルシウム不足のせいか、父の身長は伸びませんでした。
(バレーボールのエースだった母よりも低かったです)
終後も、父は次男だったので、大学には行かせてもらえなかったみたいです。
親に内緒で地元の「師範学校」を受験して、教師になりました。
当時、教師の給料は安く、市営アパートには風呂がなく、週2~3回銭湯に通っていましたが
私が小学生の頃、家を新築しました。高度経済成長期でした。
そんな父は、私が中学生の頃、「アマチュア無線の免許を取りたい」と言ったとき
家族みんなで、受験会場の仙台市まで、車を運転して、連れて行ってくれました。
合格後、父が母に「ハムのトランシーバー買ってやれ」と言っていたと母から聞きました。
戦争中に青春時代を過ごした父は、私に青春をプレゼントしてくれました。
「東京の大学に行きたかった」父は、私を東京の大学に行かせてくれました。

今、日本は戦争中でも戦後の混乱期でもありません。戦争は歴史となりました。
歴史とは、後生の人たちが考え、教訓とするものであってほしいです。

私が、今年読んだ本と、観た映画を紹介します。どちらも涙が止まらなくなりました。

① 「硫黄島上陸 遊軍ハ地下ニ在リ(いおうとうじょうりく ゆうぐんはちかにあり)」 
             酒井聡平(さかいそうへい) 講談社 2023年



② 「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
           主演 福原遥、水上恒司 監督 成田洋一 松竹他 2024年



 

■ ■ ■

素晴らしい記事を投稿してくれた友人に心から感謝いたします。この記事を通じて、私たち一人一人が平和の大切さを再認識し、次世代に伝えていくことの重要性を改めて感じました。皆さんもぜひ、家族や友人と戦争の歴史について話し合い、その教訓を共有していただければ幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

以下は、以前にご紹介した通信兵に関する貴重な書籍です。再度ご案内いたしますので、興味のある方はぜひ図書館や Web でお探しください。

www.jh1lhv.tokyo

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