長年の親友である JH7VHA 柴田さんから、戦時中の電鍵の写真とコメントを頂戴しました。これはとても貴重な写真であり、皆さんと共有したく思い、当ブログへの掲載許可をお願いしたところ、快くこれを承諾してくださいました。心から感謝申し上げます。
以下のメールは、第二次世界大戦中の日本の特攻隊員とその電信による通信について、非常に詳しく内容を伝えています。史実として、特攻隊員が敵艦に特攻する通知としてモールス信号を使ったこと、そしてその信号が彼らの命の終焉を示すことは多くの日本人にとって感動的なエピソードとして心に刻まれることと思います。
以下、JH7VHA 柴田さんから頂いたメールです。
中学校の理科準備室(校舎は建て替えられた)整理の際に、いただいた旧日本海軍の、無線電信を打つための電鍵です。天然秋田杉に畳を敷いて置いています。陸や海に散った多くの英霊に、安らいでほしいという気持ちからです。

海軍の錨(イカリ)マーク、東京管区の識別マーク 丸にト
東京管区で使用されていたものと考えられます。後で気づいたのですが、この電鍵には、細工が、されています。後席側にスイッチを切り替えると、連続送信になるのです。
これが何を意味するかを知ったのは、かなり後になってからです。

特攻機は、いよいよ敵艦に突入の際は、超長符を打ちます。
「ツー」を長く伸ばして打つと、「我、タダイマ突入ス」という意味の電信になります。
そして体当たりの瞬間まで電鍵を押し続けるのです。
講談社文庫『永遠の0』より
「ホタ ホタ ホタ」 我、空母ニ体当タリ
「セタ セタ セタ」 我、戦艦ニ体当タリ
「クタ クタ クタ」 我、駆逐艦ニ体当タリ
「ユタ ユタ ユタ」 我、輸送船ニ体当タリ
「テバ」 天皇陛下万歳
「右肘で電鍵を押したまま、敵艦に特攻」
「手が電鍵から離れて信号が止まれば、戦死とみなす」
零戦が時速 500Km/h で 1.5Km 先の敵艦に突入すれば、10 秒で到達する
10 秒より早く信号が途切れれば、墜落、10 秒以上で途切れれば命中
こんな方法でしか、戦果を判断することができなかったのです。
零戦や隼、疾風等のような戦闘機は単座ですから 当然単身で搭乗します。
艦爆、艦攻等は複座、あるいは三座式ですから
通常攻撃であれば搭乗員は操縦、航法、爆撃等を分担しています。
特攻時においてもこれを変える事はしません。
戦友であるし、死を共にするという理由もあったでしょう。
爆撃機などでは定員一杯を搭乗させて出撃したそうです。
一式陸攻などが出撃する時には8.9名を乗せてゆきました。
日本軍機にはレーダーが備わっていませんので敵機の襲来を 見つけるのは兵士の肉眼でした。
眼が多いほど監視が密になる・・・ 生きた目玉が必要だったので定員一杯で出撃したのです。
この電鍵にされた細工(後席側に切り替えると連続送信)は
艦爆、艦攻機用の電鍵を、単座の零戦に搭載するためだったのではないでしょうか?
願わくは、誤りであってほしいです。
第一電信室 ―最後の通信―
Last Communication from Kamikaze attackers[ENG SUB] YouTube
知覧(ちらん)特攻平和会館
鹿児島県鹿屋市(かのや)航空基地資料館の近くに、串良(くしら)平和公園(串良海軍航空基地跡)がある。その一角に厚いコンクリートで覆われた地下室がある。第一電信室といわれたこの地下壕は、特攻機からの無線電信を受信することを軍務とされていた。 特攻隊員の最後の通信を受信したこの地下壕は 今は静寂に包まれていて、この中で聞くモールス信号だけが響き、 涙が止まらなくなりました。
最後の敵艦に突入する際に流れる音がモールス信号です。
「ホタ ホタ ホタ」意味は「我 空母ニ体当タリ」
「連続音」は「我 敵艦ニ突入ス」
【我 空母ニ体当タリ】 -・・ -・ -・・ -・ -・・ -・
【我 敵艦ニ突入ス】 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (消える)
音が消えたということは、信号が止まったということで
搭乗員の【命が途絶えた】事になります。
【我 空母ニ体当タリ】 -・・ -・ -・・ -・ -・・ -・

【我 敵艦ニ突入ス】 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(消える)

二度とこのような悲劇を起こすことのないよう
8月15日 英霊に対し、感謝と哀悼の意を込め 電信を打つ
ニ -・-・
ッ ・--・
ポ -・・ ・・--・
ン ・-・-・
ハ -・・・
セ ・---・
カ ・-・・
イ ・-
イ ・-
チ ・・-・
ヘ ・
イ ・-
ワ -・-
デ ・-・-- ・・
ユ -・・--
タ -・
カ ・-・・
ナ ・-・
ク ・・・-
ニ -・-・
ニ -・-・
ナ ・-・
リ --・
マ -・・-
シ --・-・
タ -・
ヤ ・--
ス ---・-
ラ ・・・
カ ・-・・
ニ -・-・
二 ・・---
〇 -----
二 ・・---
三 ・・・--
〇 -----
八 ---・・
一 ・----
五 ・・・・・
いただいたメール、心から感謝いたします。
非常に詳しく、かつ感動的な内容で、特攻隊の英霊と彼らの献身的な行動について再認識させていただきました。モールス信号の部分は特に心に響くものがあり、彼らの勇気と覚悟が感じられました。このような歴史的な背景や詳細な情報を共有していただき、本当にありがとうございます。
私たちには、これらの事実を忘れずに次の世代に伝える責任があると思います。戦争の悲劇を繰り返さないために、これらの事実を学び、理解し、敬意を持って過去を振り返ることが大切だと感じました。
私は特攻を美談化するつもりはまったくありません。
また、戦争の名のもとに人の命を軽んじる戦術を肯定するつもりもありません。