CW デコーダー、実践の交信で使えるのでしょうか?
私自身、過去に何度もモールス解読器(CW デコーダー)について言及してきました。
私の見解としては、CW デコーダーが実際の交信で役立つことは、ほぼほぼないのではないかと思っております。7MHzの CW バンドを例に挙げると、常に混信や雑音、フェージングが生じている環境下で、信号を正確に文字にデコードするのは困難だと思います。もちろん、信号が強くてクリアな音であれば、CW デコーダーでも 1:3 のエレキー符号ならば解読はできると思いますが、それでも、周波数の微調整や解読開始までの時間が必要になることから、実用的に使いこなすためにはそれなりのコツや慣れが必要です。また、モールスを理解しない人がデコーダーに表示されるコールサインを見ても、それが正しいかどうかを判断することは難しく、誤表示されたコールサインを正しいものとみなすリスクもあります。結局のところ、モールスは自分の耳で聞き、頭で解読した結果を信じることが最も確実な方法です。
縦ブレ電鍵などのストレートキーの送信練習で使うのがベスト?
そうは言っても、CW デコーダーは送信練習においては非常に有用なツールとなり得ます。特に、縦ブレ電鍵などのストレートキーの送信練習に使用するのが最適です。なぜなら、パドルを使ったエレキーの符号は最初からデコーダーが解読しやすい、短点と長点の比率が 1:3 で出力されるため、それをわざわざデコーダーに解読させる必要はないからです。
バグキーを使う OM に試してもらいたい
また、和文電信のユーザーで多いバグキー使いの人にも CW デコーダーを使ってほしいと思っています。なぜなら、バグキーで短点と長点の比率 1:3 の符号を送出するのはとても難しいからです。まず、送出しようとする短点の速度になるようにオモリを調整するところから始める必要があり、この調整ができないと、あの特徴的な「クセ強符号」の第一歩の始まりとなります。私が知るバグキーの達人たちは、通常の交信では CW デコーダーでは解読できない芸術的な美しい符号を送信しますが、相手が初心者と分かると、さっと切り替えて、今度は正確な 1:3 の符号を送信することができます。バグキーを使っているのにエレキーの出力としか思えないようなキレイな符号を送信する OM は、ホント、すごいと驚きます。日々バグキーを使っていて、イザというときに 1:3 の符号が送信できない、または不安があるという OM には、CW デコーダーを手元に置いて、定期的に文字が正しく表示されるか、確認されることをお勧めします。
ということで、CW デコーダーは、縦ブレ電鍵やバグキーの送信練習に使うのがベストであり、実際の交信における相手局の符号を文字にするものではないということを、理解することが重要です。
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まずは、お金をかけずにモールスをデコードしてみてください。
それでも高価な解読器が必要と思えるなら、大枚をはたく価値はあるのではないでしょうか。
(例)当ブログの「子供向けニュース」をデコードしている状況(3分)
(EaseUS Recexperts の Free バージョンでキャプチャ)