最近の HF 帯の静けさは、まるで無線機やアンテナが壊れたかのように感じられるかもしれません。これは地磁気嵐が発生しているためで、短波通信が大きく妨げられています。
ということで、このような状況を把握するため、当ブログでは皆さんにお馴染みの Paul L Herrman のウェブサイトから「HF 伝播と宇宙天気データ」のバナーをサイドバーに貼ることにしました。この情報を活用して、宇宙天気の影響を理解し、短波通信の状態をより良く把握していただければと思います。
宇宙天気予報(国立研究開発法人情報通信研究機構)
HF Propagation and Solar-Terrestrial Data Website
この必要最小のバナーを貼ることにしました。
以下、アマチュア無線の運用に影響を与える各指標についての簡単な説明です。
データ: 2024/05/12 07:29 GMT
1. SFI(Solar Flux Index:太陽フラックス指数)
- 数値: 214
- SFI は、太陽からの無線波の放射量を表す指数で、2800MHz(10.7cm 波長)の周波数で計測されます。数値が高いほど、太陽活動が活発であり、短波通信にとっては通信状態が良くなることを意味します。つまり、SFI が 214 という高い数値は、短波通信に非常に適した条件が整っていることを示しています。
2. SN(Sunspot Number:黒点数)
- 数値: 148
- 黒点数は、太陽表面の活動度を示す指標で、数値が高いほど多くの黒点が存在します。黒点は太陽の磁場が強い領域で、これが多いと短波の電波が反射しやすくなるため、通信の質が向上します。SN が 148 ということは、かなりの黒点活動があり、これが良好な通信条件を作り出しています。
3. A-Index(地磁気活動指数)
- 数値: 272
- A-Index は、過去24時間の地磁気活動の平均値を示します。この指数が高いと地磁気嵐が発生しており、これによって短波通信が妨げられる可能性があります。272 という非常に高い値は、地磁気嵐が非常に強いことを示しており、通信に悪影響を与えることが考えられます。
4. K-Index(短期地磁気活動指数)
- 数値: 7
- K-Index は、地磁気の短期間の変動を表し、0 から 9 までのスケールで示されます。7 という数値はかなり高く、地磁気嵐が進行中であることを意味しています。これは、短波通信にマイナスの影響を及ぼす可能性が高いです。
5. X-Ray(X線放射)
- 数値: C6.0
- X 線の強度は、太陽からのエネルギー放射の強さを示しており、この数値が高いと太陽フレアが発生している可能性があります。C クラスは比較的穏やかなフレアを示していますが、それでも短波通信に一時的な影響を与えることがあります。
6. 304A(紫外線放射)
- 数値: 162.4
- この指標は太陽の紫外線放射量を示しており、特に 304 アングストローム波長の放射強度を測定します。紫外線レベルが高いと、地球の高層大気が影響を受け、それによって短波通信にも影響が及ぶことがあります。
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アマチュア無線の短波通信の運用では、宇宙天気が直接的な影響を及ぼすため、常に最新の宇宙天気情報をチェックすることが肝要です。特に地磁気の指標が高い場合は通信障害に備える対策を講じることが重要です。これにより、通信条件が最適なタイミングを見極めて良好な短波通信を実現することが、アマチュア無線家として重要な取り組みとなります。