最近話題になっている中国製の多機能ラジオ「ATS-Mini(Si4732搭載)」の受信性能がどれほどのものか、自作の SINAD 計を使って感度を測定してみました。
このラジオは、短波から FM 放送帯まで幅広い周波数に対応しており、アマチュア無線の受信にも使えることで注目されています。そこで、実際にどの程度の信号強度まで受信できるのか、12dB SINAD という方法で感度を確認してみました。
測定方法
測定には、RF 信号発生器(SSG)として tinySA を使用しました。tinySA の RF 出力に 20dB の外付けアッテネータ(ATT) を追加して、ATS-Mini のアンテナ端子に信号を入力しています。
そして、ラジオのスピーカー端子から出力される音声信号を、自作の SINADメーター に接続して、12dB SINAD に達する最小の信号レベル(dBm) を測定しました。

AMモードでの受信感度(変調:1kHz、変調度 30%)
| 周波数 | 受信感度(12dB SINAD) |
|---|---|
| 500 kHz | -89 dBm |
| 800 kHz | -89 dBm |
| 2.5 MHz | -91 dBm |
| 3.7 MHz | -92 dBm |
| 5.0 MHz | -92 dBm |
| 6.0 MHz | -93 dBm |
| 7.3 MHz | -93 dBm |
| 9.7 MHz | -94 dBm |
| 12.0 MHz | -94 dBm |
| 15.5 MHz | -94 dBm |
| 19.0 MHz | -99 dBm |
| 21.7 MHz | -102 dBm |
| 26.0 MHz | -100 dBm |
FMモードでの受信感度(変調:1kHz ±3kHz)
| 周波数 | 受信感度(12dB SINAD) |
|---|---|
| 70 MHz | -107 dBm |
| 80 MHz | -116 dBm |
| 100 MHz | -118 dBm |
参考(一般的な FM ラジオの受信感度)
| ラジオの種類 | 12dB SINAD の目安(感度) |
|---|---|
| 一般的な安価なポータブルラジオ | 約 -95 ~ -100 dBm |
| 中級機(Sony、Panasonic などの高感度機) | 約 -105 ~ -110 dBm |
| 高級・通信型レシーバー(IC-R8600 など) | 約 -110 ~ -115 dBm |
| 業務用または測定機クラス | -115 dBm 以上 |
最後に
AM 帯では、低い周波数ではおおむね -89dBm 程度、中短波帯では -93〜-94dBm 程度の感度が出ており、思っていた以上に健闘している印象です。特に 19MHz 以上ではさらに感度が良くなっているのが面白い点です。
FM 帯では -110dBm を超える感度が出ており、ラジオとしては非常に優秀な部類ではないでしょうか。ポータブルラジオでここまで測定できるとは驚きました。
今後は、選択度やイメージ妨害なども測定してみようかと思っています。
