JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

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ハムの資格を持たずに電波が出せる!?

「ハムの無線機で電波出すのに、もう免許なんていらないんじゃない?」って、随分前に書いたことあるけど、なんか最近になって総務省も免許の簡素化に動き出したようで、ホント歓迎すべき第一歩だと思います。

www.jh1lhv.tokyo


総務省が公示したパブリックコメント募集の中身ですが、

  1. アマチュア局の免許手続きの簡素化
  2. アマチュア局の無資格者の利用機会の拡大
  3. 周波数の追加割り当て

の、大きく3項目で、いずれも緩い方向への改正案となっており、このまま正式に施行されることを期待して、楽しみに待ちたいと思います。
 

www.soumu.go.jp


わたしが特に気になっているのは、2つ目の「無資格者の利用機会の拡大」で、パブコメでは ”有資格者の下・・・” なんて書いてますが、もうそんな制限なんてヤメちゃって、いっそのこと完全に無資格者の運用を認めてしまえばいいのに、なんて思ったりしています。

f:id:JH1LHV:20200118163103j:plain
(総務省の報道資料から抜粋)
 
ドローンで FPV するのにハムバンド(5GHz帯)を使う必要があるので、ハムの資格が必要になるんですが、これもハムの資格持ちが側で付き添えば、無資格者でもコントローラー使って電波が出せるようになる方針なんだそうです。

https://mindrone.net/news/298/

で、このドローンの条件緩和なんですが、今回公示の改正案に入っているかは不明です。

商業的な観点を含め、現代の技術基準に合致した送信機から発射される電波が公共の福祉に悪影響を及ぼすことは、ほぼ考えられません。国際的な流れを考慮しても、簡略化の方向へのシフトは避けられないでしょう。実際、もっと早くこの方向へ進んでいても良かったのではと、私は感じています。

現代のハムの世界も変わってきましたね。
ハムの免許を持っているからといって、全員が測定器を持っているわけではありません。
結局、機器の調子が悪くなれば、メーカーに送って修理してもらうのが一般的です。現代の家電製品と同じように、自分での修理は難しく、現実的には難しい場面も多いですね。

無線工学や無線法規、これらを学ぶことはハムになるために必須でしょうか。私は、特に工学については不要だと感じています。ただ、HF 帯の運用には国際的なルールがあるため、法規の知識は持っていた方が良さそうです。無資格での運用が許されるのは、V/UHF の FM に限定すればいいんじゃないかと思います。

抵抗の計算のような技術的な知識は、確かにハムの交信で必要とされることは少ないです。しかし、実際の運用ルールを理解し、守ることは絶対に必要です。適切な運用をしないと、ハムバンドが混乱し、トラブルが発生する可能性があります。

そこで、ハムを実践している知人からルールを学ぶ、あるいは無線機販売店での講習を受けるといった方法で、正しい運用の知識を身につけることができるはずです。

ハムバンドで無資格者が電波を勝手に出せないのは、この辺りのことをクリアする必要があるからで、これを勝手に、ハムのこともろくに知らないまま、Amazon あたりで無線機買って、勝手にハムバンドで電波でも出された日には、それこそバンド内はハチャメチャになって、無法地帯化してトラブルだらけになるのは必然で、そうなっちゃうと今度は逆にこれまで真面目にハムを楽しんでいる方々まで影響を及ぼす恐れがあります。

運用ルールをしっかり学べる仕組みがあれば、電波法の緩和も期待できると思うし、既出問題だけの、ほぼ意味のない、無線工学を暗記することも必要はなくなります。暗記しなきゃいけないのは、アマチュアコードを遵守した「運用ルール」、これだけなんですよね。

JARLの皆さん、ハムの普及のためにも、試験制度の見直しを総務省に提案してはいかがでしょうか。試験なしでのハムライセンス取得が可能となれば、V/UHF の無線機の売上が伸び、JARL の会員数も増加するはずです。

無試験でハムになったとしても、その中には V/UHF の FM から HF の DX に興味を持つ人が現れたり(無資格者は V/U のみという前提です)、上級資格の取得に目覚めたりして、そうして CW や自作、果ては和文電信まで手を出す人も現れるように思います。この流れこそが、ハムの新しい時代の幕開けとなるかもしれません。

これで、V/UHF の FM チャンネルも・・・
毎日が、正月の QSO パーティ並みに賑わってくれるかもしれません。 

ということで、
最近公示された電波法の一部改正案が、ハム界にとっての新たなステップとなることを願っています。 
 

f:id:JH1LHV:20200118154925j:plain(PDF "アマチュア局の制度整備の概要" から抜粋 )

https://www.soumu.go.jp/main_content/000664421.pdf 

これって、家族の中にハムがいると、そのハムの指示のもとで、無線免許を持たない家族の誰もが電波を発射できる、という理解でいいんですよね?

また、17歳以下の青少年ってことですが、これは法律の規定には特になく、青少年活動センターでは中学生から30歳までを青少年としているそうです。つまり、中学生なら、お父さんやお母さんの無線機で他の方と交信ができることになります。

さて、この際のコールサインはどう扱われるんでしょうか。クラブ局なら理解できるのですが、個人のコールサインの場合、「オペレータは子供です」というような追記が必要なのかなと思うのですが、どうでしょうか?

さらに、「一時的に体験」という表現が出てきますが、これは具体的にどれくらいの時間や回数を意味するのでしょうか。少し曖昧な表現なので、人それぞれの解釈に違いが出てしまいそうです。

そういったことを、来月の17日までに意見を寄せることが求められているようです。

V/UHF の FM 限定で、ハムバンド内で資格がなくても電波を発射できるように、電波法の一部を緩和してください。と、意見でもしてみようかなぁ。でも、完ムシされるんだろうなぁ。。。