JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

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V/UHF FM モード限定で、無資格で運用できるようにしてほしい

「V/UHF の FM モード限定で、無資格での運用を許可してほしい」という提案です。
以下、私の個人的な見解なので、読み流していただいて構いません。

多くの独居老人は、人との交流や会話を求めています。

テレビで紹介されていたおばあさんが、故人となった夫の写真と話すことで寂しさを紛らわす様子を観て心を痛めました。寂しすぎます。パートナーを亡くした時の孤独感は強く、それが元気を奪い、場合によっては命まで縮めることもあると聞きます。こうした人々に新たな生活の活力を与えるためには、新しい人間関係の構築は欠かせないと感じています。また、身体の不自由な高齢者が日常生活を誰かに依存しており、自らはほとんど会話をすることなく過ごしている・・・そういう老人は沢山存在しています。この先、さらに増え続けるでしょう。



「病院の待合室は高齢者のたまり場になっている」という話をよく聞きますが、近年のコロナ禍でその姿は見られなくなりました。病院に通う理由はもちろん、持病の治療があるからですが、その一方で、仲間に会えることや、自分がまだ元気であることを示すことも、生きがいの一つになっているようです。人が集まる場所へ行くことで得られる安心感、これは、ハムフェアの会場の雰囲気にも似ていますよね?一般的に高齢者は人から干渉されるのは嫌がる傾向にありますが、人恋しさという感情はとても強く持っています。



私は、常々、お年寄りこそハムになってほしいと思っていて、そして、誰かと話をすることで、元気を取り戻してほしいと願っています。

こういうことを考えても、実際に大きな障害となるのがハムになるための試験です。現状ではハムになるためには、無線工学と無線法規を学び、国家試験に合格する必要があります。肉体的能力が低下している高齢者にとって、これまでの人生で見たことも聞いたこともない、抵抗やコンデンサーなどを覚えることは困難でしょう。問題に対する答えを暗記すれば、4歳の女児でも合格する資格ではありますが、年々記憶力が衰えていく高齢者にとって、これは厳しい挑戦です。特に電気関係が苦手な人や、スマートフォンの操作すら難しいと感じる高齢者にとっては、この免許制度がある限り、ハムになることは難しいでしょう。

その一方で、ライセンスフリー無線(フリラ)も選択肢の一つとなるかもしれませんが、送信出力やチャンネル数、ハムのコミュニティの大きさを考えると、やはりハムの無線機の方が適していると思います。

電波法令で定義されている「アマチュア業務」とは、「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、 通信及び技術的研究の業務」とありますが、現状の V/UHF において、この定義に合致した内容で交信を行っているハムはほとんどいないのではないでしょうか。もし、この定義を厳格に守らなければならないとすれば、交信相手はほとんどいなくなるでしょう。自作の無線機で電波を出すことも、手続きの面で手間があるので、安価なメーカー製の無線機を使う方が簡単です。そう考えると、寂しいですが、厳密な「アマチュア業務」を交信で求めるのは時代遅れな感じがします。無線技術とか技術的研究とか、そんなことを考えながら会話しているハムは非常に少なく、誰かと話がしたいから、ただそれだけだと思います。



実際に交信する場面でも、CQ を3回とか、自局のコールサインを3回とか、電波法を厳格に守っているハムはほとんどいませんよね。その場の状況というか、電波法を逸脱しない程度のローカル・ルールの中で運用しているのが現状であり、試験でも、本当に必要な運用の知識はほとんど問われません。

メインチャンネルという周波数が存在し、皆がそれを聞き、誰かと会話をするときは別の周波数に移動するとか、電波を出せる周波数や電波型式にはバンドプランというものがあるなど、運用上の決まりごとはありますが、これらは大抵の場合、先輩ハムから教わります。そうなると、運用上のルールを教えるための講習を開いたり、すでにハムになっている人が教えてあげるとか、方法はいくらでもあると思います。そして、講習を受けた人に証明書を発行し、その証明書がないと無線機を購入できないようにすればいいだけです。

無線機も操作性を重視したシンプルなものがいいですね。FM のバンドプラン以外では電波が出ないようにして、操作するボタンは数個に限定、イメージは、昭和時代のクリスタル式の FM 無線機のような、超シンプル。そういう無線機を低価格で提供することが望ましいでしょう。

もし、将来的に免許が必要なくなるとしたら、その時は、ハムに詳しい人々がボランティアとして活動すればいいし、私もその一員になりたいと思います。

基本的に、ハムは趣味であり、電波法によって利益の追求は禁止されているので、無償での活動がベストです。

というわけで、私の願いは、V/UHF FM 10W 限定で、申請するだけでコールサインが取得できること。これが実現すれば、老若男女誰でも、無線機を持つ楽しみを体験できるようになります。そして、試験を受けることが難しく諦めてしまう人が減ることで、ハムのコミュニティがさらに広がると思います。

これからの高齢化社会では、ローカルに住む一人暮らしの老人は、市や町の行政だけではなく、その地域に住む皆で見守ることが望ましく、無線を使うハムのネットワークで、災害時や緊急時はもちろん、特殊詐欺の被害も防げるとしたら、こんなに素晴らしい社会貢献はないと思います。それに、無線で話すことは認知症予防にもなるはずで、誰とも話しもせず、家に引きこもってばかりいたらボケ一直線です。無線を使って見ず知らずの人と新鮮な話ができたら、認知機能は良好に保たれるのではないでしょうか。



このハムの無資格を実現するためには、法改正や行政の理解と協力が必要です。この提案を広め、影響力を持つ人々に働きかけることも必要です。

私の提案は、あくまで一つのアイデアに過ぎません。もっと良い方法もあるでしょう。でも、何も変わらなければ、ハムの世界は縮小し続け、最終的には消滅してしまうかもしれません。

※これまでも何度も同じようなことを書いていますが、V/UHF に限り、申請するだけでコールサインが貰えるように改正してほしいと、本気で願っています。