JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

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CW ゼロインツールの製作 ③

M5StickC Plus2 用の CW ゼロインツールを v1.0 から v1.3 にアップデートしました。

www.jh1lhv.tokyo
サンプリング数は従来通りの 2048 を維持しつつ、符号間の隙間で表示が頻繁に変動してしまう問題などを含めて、以下の点について修正しました。これにより、よりスムーズで安定したゼロイン調整が行えるようアップデートを行いました。



問題点

モールス符号の符号間隙間での表示不安定

従来のバージョンでは、モールス符号の符号間(ドットやダッシュの間の無音部分)で以下の問題が発生していました:

  • 表示の目まぐるしい変化: 符号間の短い無音でも即座に「NO SIGNAL」表示に切り替わる
  • ゼロイン調整の困難: 表示が安定せず、正確な周波数調整が困難
  • 視認性の低下: 頻繁な表示変更により、実際の周波数差が把握しにくい

主要な改良点

1. ゼロイン時の LED 点灯

ターゲット周波数 ±10Hz に到達すると本体の LED が点灯する機能を追加しました。
物理的なフィードバックにより、ゼロイン調整がより直感的かつ確実に行えます。

2. 設定の自動保存と読み込み

設定内容を自動で保存し、次回起動時に前回の状態を復元する機能を追加しました。
毎回設定をやり直す必要がなくなり、即座にゼロインを開始できます。

3. 信号保持機能の実装

モールス符号の特性を考慮した信号保持を実装しました。

  • 有効な信号を検出した後、400ms 間は最後の周波数を保持
  • 符号間の短い無音期間でも安定した表示を維持

4. 動的閾値システムの改善

マイク感度に応じて自動調整される閾値を実装しました。

  • マイク感度レベル(1-3)に応じた最適な閾値設定
  • ノイズの誤検出を防止しつつ、弱い信号も確実に検出
  • 環境ノイズへの適応性向上

5. 更新間隔の最適化

信号保持機能との協調を考慮した更新タイミングを調整しました。

  • 保持時間(400ms)と更新間隔(150ms)の比率を約 2.7 倍に設定
  • モールス符号のタイミングに合わせた調整
  • CPU 負荷と応答性のバランスを考慮

6. 視覚的フィードバックの強化

信号保持状態を分かりやすく表示しました。

  • 通常の信号: 黄色で周波数表示
  • 保持中の信号: オレンジ色で周波数表示
  • ターゲット到達: LED が点灯し、グリーンで「ON TARGET」表示

効果

Before(修正前 v1.0)

  • 符号間で表示が頻繁に変化
  • ゼロイン調整時の集中力が削がれる
  • 弱い信号の検出が不安定

After(修正後 v1.3)

  • LED の点灯により直感的にゼロインが可能
  • 起動時に前回設定が読み込まれて即座にゼロインを開始
  • 符号間でも安定した表示
  • スムーズなゼロイン調整が可能
  • 様々な信号レベルで安定動作

■ ■ ■

今回アップデートした M5StickC Plus2 用ゼロインツールをお試しいただける方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。ご希望の方には、バイナリファイルをメールにてお送りいたします。
ただし、2025/08/10 までのメール到着とさせてください。


------- 2025/07/27 追記 --------

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