JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

スポンサーリンク

中華パーツで Attenuator(ATT)を作ってみた

AliExpress で、10dB と 30dB のアッテネータを買ってみました。
ケース入れがしんどかったですが、まぁなんとか製作することができました。

f:id:JH1LHV:20210606114112j:plain

f:id:JH1LHV:20210606114502j:plain

既に幾つかのアッテネータは所有してるんですが・・・
こういうパーツを見かけると、ついついポチってしまいます。
まぁ、アッテネータみたいなジグは、ナンボあってもイイですからね。

10dB Attenuator 100watt

 f:id:JH1LHV:20210527092019j:plain

  • Frequency Range: DC-3.0GHz
  • Power Rating: 100W
  • Attenuation Value: 10dB
  • Attenuation Tolerance:± 0.8dB
  • Nominal Impedance:50ohms ±5%
  • VSWR: ≤1.25:1
  • Substrate Material: Beryllium Oxide Ceramic
  • Operating Temperature: -55℃ to +150℃
  • Temperature Coefficient: ≤150ppm/℃
  • @約700円

 

30dB Attenuator 100watt

 f:id:JH1LHV:20210527092110j:plain

  • Frequency Range: DC-2.5GHz
  • Power Rating: 100W
  • Attenuation Value: 30dB
  • Attenuation Tolerance:± 1.5dB
  • Nominal Impedance:50ohms
  • VSWR: ≤1.20:1
  • Substrate Material: Beryllium Oxide Ceramic
  • Operating Temperature: -55℃ to +150℃
  • Temperature Coefficient: ≤200ppm/℃
  • @約700円


AliExpress で "Attenuator" で検索すれば、それこそ様々な種類のこの種のパーツが検索できると思います。
ご興味があれば是非とも入手されて製作してみては如何でしょうか。


材質はベリリウム酸化物(薄膜抵抗とフランジとの間に有毒の酸化ベリリウムセラミック)を使っているので、取り扱いには注意が必要です。

着荷試験

NanoVNA でパーツそのものの特性でも見てみようかと試みたんですが、測定環境が整っていないことから結果が不安定だったので急遽測定を中止して、もうぶっつけ本番で組み立てることにしました。

f:id:JH1LHV:20210606113111j:plain
測定コードは長いし、ワニ口クリップだし・・・測定結果が凄い不安定で。。。
もうここは販売スペックを信じて次へ進むことにしました。

 

製作

今回のケースに合うヒートシンクがひとつしかなかったので、10dB と 30dB の Attenuator をひとつのケースに纏めることにしました。

f:id:JH1LHV:20210606115018j:plain
四角の穴あけは、CNC 頼りです。

f:id:JH1LHV:20210606115038j:plain
こんな感じに生基板を加工して Attenuator を配置しました。

f:id:JH1LHV:20210606115255j:plain
穴位置が微妙にズレてて・・・3M ネジをムリヤリ入れたり、ハンダ付けでガチャガチャやっていたら、30dB の Attenuator の端子がひとつもげちゃって・・・もう、修正するのが大変で、基板が汚くなってしまいました。。。

f:id:JH1LHV:20210606115650j:plain
横から見るとこんな感じです。

f:id:JH1LHV:20210606115712j:plain
裏ブタをするとこんな感じです。

f:id:JH1LHV:20210606120046j:plain

f:id:JH1LHV:20210606120058j:plain

f:id:JH1LHV:20210606120113j:plain
テプラでお化粧です。

 

特性測定

TG 付きスペアナと NanoVNA を使って、このアッテネータの特性を測定してみました。


10dB 側の ”減衰量” 測定(TG Out -20dBm)

f:id:JH1LHV:20210606120953j:plain
0Hz ~ 1.5GHz

f:id:JH1LHV:20210606121030j:plain
0Hz ~ 500MHz


30dB 側の ”減衰量” 測定(TG Out -20dBm)

f:id:JH1LHV:20210606121007j:plain
0Hz ~ 1.5GHz

f:id:JH1LHV:20210606121056j:plain
0Hz ~ 500MHz
30dB に数デシ足りませんねぇ。

更に、NanoVNA を使って、減衰量と SWR を調査してみました。

f:id:JH1LHV:20210606122845j:plain
NanoVNA の RF 出力は -13dBm(maximum -9dBm)と、少々曖昧です。


10dB 側の測定

減衰量

f:id:JH1LHV:20210606123119j:plain1MHz ~ 900MHz

f:id:JH1LHV:20210606123246j:plain
1MHz ~ 100MHz

SWR
f:id:JH1LHV:20210606123020j:plain
1MHz ~ 900MHz

f:id:JH1LHV:20210606123047j:plain
1MHz ~ 100MHz


30dB 側の測定

減衰量

f:id:JH1LHV:20210606123833j:plain
1MHz ~ 900MHz

f:id:JH1LHV:20210606123605j:plain
1MHz ~ 100MHz

SWR
f:id:JH1LHV:20210606123345j:plain
1MHz ~ 900MHz

f:id:JH1LHV:20210606123419j:plain
1MHz ~ 100MHz

10dB、30dB 共に 400MHz 程度までなら使用に耐えるんじゃないかと思います。
ただし、送信出力 100W はムリでしょうね。
精々この作りだと 20、30W が限界ってところじゃないでしょうか。
もっと大きなヒートシンクにすれば間欠で短時間なら 100W もいけるかもしれませんが、やはり大きな出力の測定は、カプラの使用が安全で確実だと思います。 

ということで、このアッテネータの製作ですが・・・結構、大変でした。