現在公開中の「CW Decoder(Morse Code Decoder)」(iPhone/Android)をアップデートしました。すでにご利用中の方は、Apple Store または Google Play より最新版への更新をお願いします。
本アプリには7日間の無料トライアル期間があります。期間中はすべての機能をお試しいただけますので、動作や使い勝手を確認していただければと思います。なお、7日間を過ぎると「開始」ボタンが押せなくなりますのでご注意ください。
今回の主な更新内容(version 1.8)
デコードエンジンの改良
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速度変化への追従性を向上
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周波数検出を 50Hz 刻みに精度向上
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信号ロック機能による安定性の向上
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その他、軽微な不具合の修正
1. 周波数検出の精度向上
従来のバージョンでは、100Hz 刻み(600Hz、700Hz など)で信号を監視していました。そのため、650Hz のような中間周波数の信号では、検出感度が低下する場合がありました。
今回のアップデートでは、監視するフィルタを 50Hz 刻みに細分化しました。あわせて、隣接周波数との干渉を抑えるため、フィルタの Q 値を見直し、特定の周波数をより正確に抽出できるよう調整しました。
これにより、信号のピッチに依存しにくい検出が可能になりました。
2. 速度変化への追従性改善
モールスデコードにおいては、通信速度(WPM)の判定が安定性と応答性の両立という点で課題になります。
従来は安定性を重視していたため、速度が急に変化した場合、追従するまでに時間がかかることがありました。
今回、新たに適応型トラッキングを導入し、速度が一定のときは変化を抑えて安定させ、速度差を検知した場合には追従性を高めることで、少ない文字数で新しい速度に同期するように修正しました。
これにより、起動直後や速度変化時の反応が改善されています。
【今後の展望:究極のデコーダーを目指して】
モールス信号デコードの究極の目標は、フェージングやノイズ、激しい混信の中であっても、「人間の耳で聞き取れる符号であれば、機械でも確実にデコードできる」状態を実現することです。
現在のバージョンでは、パソコンなどから入力される比較的クリーンな信号であれば、50 wpm の和文も安定して解読できます。しかし、実際のオンエア環境はそれほど単純ではなく、まだ十分に満足できるレベルには達していないと感じています。
CQ 後の応答で急に速度が変わったり、ピッチが微妙にずれたり、信号がノイズに埋もれてしまったりと、実運用ではさまざまな要因が重なります。実戦で本当に頼れるツールにするためには、越えるべき課題がまだ数多く残っています。
それでも、この取り組みを途中で投げ出すつもりはありません。
皆さんの実際の CW 運用の中で「これなら使える」と感じていただける日を目標に、検証と実装を重ねながら、今後もアップデートを続けていきます。
これからも進化を続ける CW Decoder を、温かく見守っていただければ幸いです。