先日ご紹介した UV-K1「F4HWN v5.2.0」について、受信感度の測定を行いました。測定には、同じく先日ご紹介した iPhone 用の自作 SINAD 測定アプリを使用しています。あわせて、UV-K5「Firmware-IJV」の受信感度についても比較測定を実施しました。
測定方法
測定には、RF信号発生器(SSG)として tinySA を使用しました。tinySA の RF 出力に 20dB の外付けアッテネータ(ATT)を挿入し、UV-K1 のアンテナ端子へ信号を入力しています。
また、UV-K1 のスピーカー端子から出力される音声信号を iPhone に接続し、自作の SINAD 測定アプリを用いて、12dB SINAD に到達する最小入力レベル(dBm)を測定しました。


iPhone への入力レベルは −15 dBFS に調整しています。この状態で 12dB SINAD を示したときの TinySA の出力値が、受信感度となります。
AM モードでの受信感度(変調:1kHz、変調度 30%)
| 周波数 | UV-K1 (F4HWN) | UV-K5 (Firmware-IJV) |
|---|---|---|
| 120 MHz | -116.0 dBm | -84.5 dBm |
FM モードでの受信感度(変調:1kHz ±3kHz)
| 周波数 | UV-K1 (F4HWN) | UV-K5 (Firmware-IJV) |
|---|---|---|
| 80 MHz | -129.0 dBm | -126.0 dBm |
| 145 MHz | -129.5 dBm | -125.2 dBm |
| 433 MHz | -128.7 dBm | -120.7 dBm |
今回の測定結果から、UV-K1(F4HWN v5.2.0)の受信感度は、一般的なアマチュア無線機と比較しても非常に優秀なレベルにあることが確認できました。
まず FM モードについて見ると、80MHz 帯で −129.0 dBm、145MHz 帯で −129.5 dBm、433MHz 帯でも −128.7 dBm と、いずれも −128〜−130 dBm クラスの高感度を記録しています。一般的な VHF/UHF 帯のハンディ機では、12dB SINAD で −120〜−125 dBm 程度が一つの目安とされるため、それを明確に上回る感度性能です。
比較対象の UV-K5(Firmware-IJV)との差も顕著で、全バンドにおいて UV-K1 が上回っており、特に 433MHz 帯では約 8 dB もの差が確認できました。これは体感的にも「弱い信号が聞こえるか聞こえないか」を左右するレベルの差であり、実運用上も大きなアドバンテージになります。
一方、AM モードでは 120MHz において −116.0 dBm と、こちらも十分に良好な値でした。エアバンド用途としても実用上問題のない感度といえます。ただし UV-K5 との差は非常に大きく、ファームウェアや受信処理の違いが結果に強く影響している可能性があります。
今回の測定から、UV-K1(F4HWN v5.2.0)は単なる低価格ハンディ機の枠を超え、実用機として十分通用する高感度受信機であることが確認できました。
特に FM モードでの感度は非常に優れており、弱い信号の受信性能という点では、一般的なアマチュア無線機と比較しても遜色ない・・・むしろそれ以上の性能を備えているといってよいでしょう。
もちろん、受信機の性能は感度だけでなく、選択度や混信耐性、音質など多くの要素で総合的に評価する必要があります。しかし「どこまで弱い信号を拾えるか」という基本性能において、今回の結果は非常に印象的でした。
ファームウェアの違いだけでここまで性能差が生まれる点も興味深く、UV-K1 + F4HWN の組み合わせは今後も注目に値する存在だと感じています。