JH7VHA 柴田さん、いつも当ブログへのご投稿ありがとうございます。柴田さんからご提供いただくアマチュア無線の貴重な情報は、当ブログをご覧になる皆さまにとって大変参考になる内容ばかりです。
今回はタワーユニットの増設に関するご報告をいただきました。アマチュア無線における電波伝搬の特性を探るために、地上高を変えて実験を行うという取り組みはとても興味深く意義のあるものだと感じます。
さらに、総合通信局や市役所との調整など、アンテナ設置に必要となる各種手続きの詳細までご紹介いただきました。こうした情報は、同様の取り組みを検討している方々にとって大いに役立つことでしょう。
それでは、以下に JH7VHA 柴田さんからお寄せいただいた情報を掲載いたします。
タワーのユニットを 1 段追加して地上高を約 2.5m 上げたので、報告します。
1 目的
1-① 144MHzのグランドウェーブを伸ばしたい。
具体的には50Km離れた大館市の局と、安定した交信をしたい。
1-② エレベーターで地上高を変えて特性変化を実験してみたい。
特に7MHzで5m~15mでの違いを試してみたい。
1-③ 3.5MHzの飛びを良くしたい(打ち上げ角を下げたい)
1-④ 地上高を上げることによって、発射する電波による影響が少なくなり
TVI等インターフェア面で安心感がある。
1-⑤ アンテナが小さく見える。
ご近所さんから「大きなアンテナですねー」と言われている。
2 変更申請
変更手続きに関して総合通信局に問い合わせたところ、必要となる書類は以下のとおりでした。
2-① 平面図
2-②-1 立面図(北向き)
2-②-2 立面図(東向き)
2-③ 防護指針計算書
2-④ 市役所の道路占用許可証
アンテナを回転させると、一部が道路にはみ出ることから、総合通信局から、市役所の
許可証を添付するように指示されました。
市役所に相談したら、翌日に担当者が、自宅に来ていただき、現場立ち会いを実施して
・個人の趣味による申請は受理できない
・はみ出し部分がわずかで、建築限界以上であるので、撤去命令はだせない
・樹木と同様の扱いで、個人で適切に管理してください
とのことでした。
総合通信局からは、経緯が分かる書類を添付するように指示されました。
2-④-1(道路占用許申請書)
2-④-2(道路占用許申請結果について)
以上、6枚を添付して電子申請することになりました。変更検査は無しでした。
電子申請処理状況が終了となった時が申請承認となり、書類等は発行されないそうです。
3 作業状況
3-①(ユニット到着)
新品は綺麗
3-②(ユニット組み立て)
締め付けトルクはメーカー指定2.6~3.2Kg・mなのでデジラチェで30N・mに調整。
3-③(組み立て完了)
約1時間で完了
3-④(ユニット追加作業20241215)
エレベーターでアンテナを下げて
TOPユニットを撤去して架設
追加ユニットを設置して、TOPユニットを再設置
3-⑤(施工前20241018)
3-⑥(施工後20241219)
4 高さ変更後の効果
・地上高が11m→13mhになったことで、アンテナが小さく見えます。
・3.5MHzで、いつもの5エリアの局が少し強く入感するようになりました。
・いつもの1,7,8エリアの局は、違いが感じられませんでした。
・144MHzは、60Km先の局が格段に強く入感するようになりました。
以上が第一印象です。
5 今後の予定等
いろいろな周波数で、アンテナの地上高を変えることによって、伝搬がどう変化するか
実験してみたいです。
アンテナエレベーターを手動で何回も上下させると、筋肉痛になります。
電動ウインチが欲しくなります。
以上となります。
■ ■ ■
柴田さん、詳細なレポートをありがとうございました。
タワーのユニットを増設し、地上高を上げることで、各周波数帯での電波伝搬特性の変化を観測されたとのこと、大変興味深く拝読いたしました。特に 144MHz における遠方との交信の改善は注目すべき効果ですね。
一方で、アンテナ設置に関わる各種手続きのご苦労も窺い知ることができました。皆さんの中には同様の取り組みを検討されている方もいらっしゃることでしょう。柴田さんの経験談は、そうした方々への貴重な指針になるものと思います。
今後の実験の進展についても、引き続きご報告いただければ幸いです。電動ウインチの導入など、更なる飛躍に向けた柴田さんの取り組みを心より応援しております。
本当にいつもありがとうございます。
また新しい知見などございましたら、情報共有をお願いします。