JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

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【JH7VHA】IC-PW2 変更検査について(1KW)

友人の JH7VHA 柴田さんからの寄稿です。

2年前の寄稿記事「【JH7VHA】1KW 検査合格までの道のり」に続き、今回はキロワット免許における変更検査について、貴重な実体験を詳しくレポートしていただきました。
これまで使用されていたリニアアンプから、ICOM の最新機種 IC-PW2 へ変更し、検査合格に至るまでの一連の流れが、時系列で非常に分かりやすくまとめられています。

まずは、「指示事項なしで合格」本当におめでとうございます!

1KW 免許を目指す方、あるいは変更検査を控えている方にとって、実務的なポイントや現場での対応がよく分かる、大変参考になる内容です。

それでは、柴田さんのリアルな体験記をご覧ください。

www.jh1lhv.tokyo

IC-PW2変更検査時系列
無線局変更検査の過程を書いてみました。フムフムとご覧ください。

< 20251122>
リニアアンプ IC-PW1 に不具合発生(ダミーロードでも送信音声が歪む)
中古で買って誕生からもう20年選手だもんナー。そろそろ新しいリニア買わないとナー。
というわけで、清水の舞台から飛び降りる根性で、ICOM の最新リニアアンプ(IC-PW2)を注文しました。

<20251128>
PW2 着荷

写真1

信じられないことに、ディスプレーが表示されません。

写真2

コントローラーをセパレートにすれば表示される。といった現象を確認。オーマイガー。
ICOM さんも「アンビリーバボー?」
動画を送付して、やっと信じてもらえました。

<20251210>
代わりの PW2 到着

普通に電源が入り、ディスプレーも表示されました。
PW1 も異常なしで返却。
ICOM さん、迅速な対応ありがとうございました。

<20251212>

液晶保護シート購入

写真3

PW2 はタッチパネルでの操作が多いため、液晶保護シートを貼りました。
液晶のクオリティーは IC-7851 にかないません。
7851 はタッチパネル操作が無いのに、保護シートを貼っています。

<20251215>
コントローラー延長(10m)パーツを購入

写真4


写真5

本体を別室(ウオークインクローゼット)に設置して、シャックのコントローラー(液晶パネル)まで配線しました。
PW1 に比べてかなり静かになりましたが、それでも結構ウルサイためです。
自分の耳に聞こえる音は、マイクに拾われ、送信機で変調されます。
交信相手に不快感を与えないようにするためです。
STP ケーブル、マイクケーブル、DIN7P コネクタ、3.5mm ミニプラクコード等を買いました。
尚、ICOM ではケーブルの延長は認めていません。自己責任です。

PW2 は、ICOM のエキサイターと接続することで、全自動運転ができるように設計されています。
CI-V(シーアイファイブ)というプロトコルで制御されています。
エキサイター(IC-7851)のバンド切替にシンクロして、PW2 がリアルに追従し
表示部に 7851 の運用周波数がピタリと表示されます。
操作ミスによる故障を防止するためにも、有効です。
ありがたく、この機能を使わせていただきます。
ただし、SEND と ALC は配線しませんでした。ここだけは、自分でコントロールしたいと思います。

写真6

7851 から 115W で PW2 をドライブすると 1500W でプロテクトが動作して、送信を停止します。
ダミーロードのメーターの針は振り切れています。
絶対にマネしないでください。

<20251225>
変更申請(電子申請) Merry Christmas Mr. G
などとふざけていたら

<20251227>
IC-PW1 故障(メーターランプ滅灯、送信不能)のため、メーカー修理
「まいったなー。検査に間に合うかなー?」
既設の PW1 も検査対象なんです。
24,28MHz を 500W から 1KW に変更するんです。

<20260106>
Happy New Year Mr.G
東北総合通信局担当者から、防護指針で大地反射の考慮をするように指示されました。
これを考慮すると、1.9MHz の防護指針をクリアできません。
最低地上高(4m)が足りません。
「えっ 前は余裕だったのに?」
そうです。防護指針が変わったのです。基準が 275V/m から 83V/m に引き下げられたのです。
前は前、今は今なのです。
1.9MH z用逆 V アンテナの両エンドは、マグネットで屋根に貼り付けるタイプなので
屋根の遠い部分に貼り付けると最低地上高(4.5m)が足りて、防護指針をクリアできました。

<20260106>
ICOM から PW1 の障害状況確認のTELあり
伝えた障状は再現せず。

<20260119>
PW1 異常なしで返却。ビミョー?
PW1 は変更なしで、PW2 でオールバンド 1KW の検査を受けることにしました。
検査当日に PW1 が調子悪くて、検査不合格となることを避けるためです。

<20260122>
総合通信局担当者から、隣家のベランダについて確認あり
Q:「Google  マップで見ると、隣家にベランダが有るようだが、これとの距離は?」
  「水平距離が足りないと、1.9MHz の防護指針をクリアできませんが?」
A:「ベランダではなく屋根です。距離は 8m で十分です」(口頭説明で解決)

<20260130>
総通局から変更許可通知あり(ペーパーレス予備免許)

写真7

PDF ファイルをプリントして、ペーパーライセンスにしました。
年末年始休みがあったのに所要期間1ヶ月。前回に比べてメッチャ早。

<20260201>
試験電波発射届提出

写真8

ご近所さんに電波妨害調査を依頼するためには、タダという訳にはいきません。
菓子折を持って、頭を下げて、お願いします。
前回のように15件回れば、菓子折単価2,000円×15件=30,000円です。
今回は、菓子折のグレードを上げて、調査件数を少なくしました。
このグレードアップ、心を込めて、自分が納得したものを選びました。
市内の人気ケーキ店の焼き菓子を試食して、買いました。
なぜなら、調査に協力してくれることは、ありがたいことなのです。

フレンドリーなご近所さんだけではありません。
「電波のせいで、健康被害はないのか?」「住所署名記入はしません」等言われます。
これがいやで、1KW 申請をしない人が沢山います。
令和5年から軽微な変更の範囲が変わり、トランシーバー、アンプ等を変更するたびに検査が必要です。
昔、ナナハンのバイクに乗るためには「限定解除審査」という、とても難しい実技試験に合格しなければなりませんでした。
根性で何回も試験場に通って、やっと合格しました。
しかし今は、教習所でナナハンの免許が取れます。
今後の電波行政の規制緩和に期待します。
しかし、今 1KW を出すには、やるしかないのです。「ファイトおー、一っ発ーつ」

写真9

ちなみにタウリン 1000mg 配合のリポ D は、もう午前中しか効きません。
最近はタウリン 3000mg のコレです。

<20260208>
電波妨害調査異常なし回答あり
ありがとうございました。

<20260209>
除雪疲れか38度の発熱
秋田は20年ぶりの豪雪で、1日3~5回除雪してました。
やっぱ歳には勝てません。

写真10

つかの間の晴れ間

写真11

秋田名物「きりたんぽ」状態

写真12

当然、電波は出せません。

<20260210>
工事落成届、検査関係資料提出
電波障害調査書の各家署名回答を PDF で添付したのですが、電子申請システムが受け付けてくれません。
原因はファイル名に付けた「①」がNGワード
自分で分かりやすいように番号を付けていたのですが、これ「② ③・・・」を削除して受付可能になりました。

<20260213>
総通局担当から問い合わせあり
「前回の調査で障害が出た○○宅はどうなったか?」確認あり。
対策済みであり、以後障害は発生していない旨回答。

<20260216>
局担当者から電話連絡があり
3月19日午前検査

<20260217>
局から検査日時変更連絡があり
3月24日午前検査に変更

<20260310>
担当から電話あり
3月24日午前9時30分から1時間半位、検査官3名で実施するとのこと。

<20260324>
検査実施
1 書類検査
   無線従事者免許証、無線局免許状、無線局変更許可書等の確認
2 送信電力、周波数偏差、スプリアス測定
  トラブル発生。ダミーロードの過熱警告ランプ点灯。(今回はうちのダミーを使用)
  いったん休憩して、その間に
3 空中線設置状況確認
  外に出て、アンテナ設置状況を説明。(変更した1.9MHz用アンテナについて説明)
4 占有周波数帯域幅測定(1.9,24,28MHz)
     A1A,J3Eの占有周波数帯域幅測定。
5 検査データ精査
   私は部屋に入れない
6 検査データ再取得
   1.9MHz 占有周波数帯域幅再測定
7 講評
 「指示事項なしで合格です」
 「電波障害が発生した場合は、東北総合通信局に報告すると共に、障害を解消すること」

写真13

Congatulation  ヤッタネ

<20250325>
所感
以上、1KW 変更検査について述べてきましたが、技術的な事にはほとんど触れていません。
ほぼほぼ根性論で、あまり役に立たないかもしれません。
現代の無線機器は周波数偏差、占有周波数帯域幅、スプリアス基準を軽くクリアしています。
今回で1KW変更申請は3回目ですが、一番大切なことは「根性」です。
壁にぶち当たるたびに、「ど根性ガエル」の唄を歌って頑張りました。
「♪根性、根性、ど根性」

1人でも多くの方が、1KW免許にチャレンジすることを応援するために書きました。
「やっちゃえ オッサン」

JH7VHA 柴田 悟

<20260331>
追伸
今回の申請に添付した書類を送付します。














 

■ ■ ■

 

柴田さんからのメールでは、今回の申請にあたっては、当初「近隣無線局・公共施設・人が集まる施設の一覧表および地図」の提出も想定されていたとのことです。しかし、総合通信局へ確認したところ、「前回の申請時から状況に変化がなければ添付不要」との回答があり、最終的にはこれらの書類は提出していないとのことでした。

このあたりはケースバイケースで扱いが異なる可能性もありますので、実際に申請される際には、事前に管轄の総合通信局へ確認しておくと安心だと思います。

今回の記事は、制度面の変化や現場対応のリアルな実情も含めて、大変示唆に富む内容でした。

改めて、詳細なレポートをご提供いただいた柴田さんに感謝申し上げます。