JH7VHA の柴田さん、いつも当ブログにご投稿いただきありがとうございます。今回は、ご自身のアンテナ系統図についての詳細な解説をお寄せくださいました。
随所に工夫とこだわりが感じられる内容で、拝見しながら「なるほど!」と唸らされることばかりです。特に、各種切替器の操作感への評価や、IC-7851 の自動切替機能をあえて使わずに「ガチャガチャ回す」という選択には、真のアマチュア無線家のスピリットを感じます。
味わい深いコメントも散りばめられており、無線機材への情熱とともに、OM ならではの視点が伝わってきます。この系統図と解説は、きっと皆さんのシャック構築にも大いに参考になるはずです。
それでは、柴田さんからお寄せいただいた貴重な情報をご紹介します。
お送りいただいたアンテナ系統図は、PDF に変換して掲載しました。
左上から
① ~ ⑤ のトランシーバーと ⑥ アンテナアナライザーの出力は 6 回路同軸切替器に接続されます
切替器 (TRANSCO製) で選択されたトランシーバーはリニアアンプ (IC-PW1) に接続されます
TRANSCO の操作感は最高に気持ちがいいです
PW1 は停電時にスルー回路が働かなくなるため 同軸切替器(第 1 電波製)でスルーできるようにしています
この切替器(ダイヤモンドアンテナ製)の操作感も なかなかです
リニアアンプ出力は 4 回路同軸切替器でそれぞれの周波数のアンテナに切り替えます
PW1 には 4 系統のアンテナを接続でき トランシーバー (IC-7851) のバンドを切り替えると自動的にバンド・アンテナを切り替える機能があり とても便利です
しかし 便利すぎて なんだか物足りないと感じたので あえてガチャガチャ回して切り替えるようにしています
シャックを離れる時には 4 回路切替器でダミーロードに切り替えることにより 他の 3 回路は
グランドされます
POWER MRTER (工人舎製 KP-1) はアナログ (針) とデジタル (LED) の二刀流で キャリブレーション不要で POWER と VSWR が直読できて ナイスです
VSWR が高いと PROTECT 赤 LED が点灯するので安心です
ただし 私はクロスメーターに慣れておらず ツインメーターであれば さらにいいです
進行と反射電力から VSWR を暗算することが身についています
典型的なアナログ人間です
下側は V/UHF の系統です
(1) (2) は 50MHz のトランシーバーで 1、2、3 は 144、430MHz のトランシーバーです
VU も同軸切替器で切り替えています
この切替器 (WELZ製) の操作感も グーです
HF 帯の系統は頭の中に入っているのですが VU 帯の系統は入っていません
操作回数が少ないせいだと思います
秋田の50、144、430MHz 帯は 閑古鳥状態です
毎朝点検を実施して アンテナ系統を 頭にたたき込みたいと思います
アンテナの系統は 若い頃は頭の中に入っていたものですが
年をとると 配線した直後は憶えているのですが 時間がたつと忘れてしまいます
同じように 予定もメモ帳に書いていおかないと忘れてしまいます
話はそれますが 交信内容もログに入力して 次回同じ話をしないようにしています
OM (old man) になると いろいろ大変です
これまでに電源・マイク系統図を紹介してきましたが アンテナ系統図で一段落です
また なんか作成したら 紹介しますね
■ ■ ■
いかがでしたでしょうか?
柴田さんのきっちりと整理された系統図からは、長年の経験と実践に裏打ちされた工夫の数々が伝わってきました。まえがきでも触れましたが、便利な自動化機能を持つ最新機器をあえて手動操作する姿勢には、アマチュア無線の本質を見る思いがします。
年齢を重ねると配線図が頭に入りにくくなる率直な心境も語られていましたが、これは私自身も日々感じていることです。系統図として「見える化」することは、シャックのメンテナンスだけでなく、この素晴らしい趣味を長く続けていくための賢明な知恵だと感じます。
また、秋田における 50、144、430MHz 帯が「閑古鳥状態」という指摘は、地方でアクティブに運用されているハムならではの現状認識で、多くの方が頷かれるのではないでしょうか。
JH7VHA 柴田さん、今回も大変興味深い寄稿をありがとうございました!これからも素晴らしいシャック環境の構築や運用の様子をぜひ共有していただければ幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。