アマチュア無線の世界では、アルファベットを使用した「欧文」のモールス交信を楽しむ方が多いですが、私は以前からこのブログで述べている通り、日本語を用いた「和文」のモールス交信に特に魅力を感じています。今回は、その和文電信の魅力について、少しご紹介させていただきます。
欧文交信は機械的なやり取り?
欧文でのモールス交信は、時に「学校の点呼」のような印象を受けます。呼びかけに応じて「はい、います!」と返事をする。そのまま「了解、終わり」といった感じで、交信が淡々と進んでしまうことが多いのです。もちろん、このスタイルにはこれなりの利便性やスピード感があり、楽しむことができるのですが、少し味気ない部分も感じるのが正直なところです。
内容が単調になることもあり、「無機質で寂しい」と感じることがあるのも事実です。確かに、相手とのコミュニケーションを最小限に抑えて効率よく交信を終わらせることもアマチュア無線の楽しみの一つですが、交信の本質である「メッセージを伝える」という部分が薄くなってしまうと感じることがあります。
和文交信は友人とのヒソヒソ話
一方、和文のモールス交信はどうでしょう?私にとっては、和文交信は「授業中に隣の友達とこっそりヒソヒソ話をしている」ような感覚があります。無線の電波を使って、お互いに気を使いながらも、しっかりとした内容のやり取りができる。それが和文交信の醍醐味です。
和文のモールスは、一文字一文字を打つのに少し手間がかかるかもしれません。しかし、その分、相手としっかりとコミュニケーションを取っている感覚が得られるのです。単に「了解」や「終わり」といった無機質なやり取りではなく、内容のある本文を送ることで、心のこもったやり取りができるのです。
本文が抜けてしまう欧文交信
欧文モールス交信では、時折、メッセージの中身(本文)が省かれることがあります。挨拶や QSL カードの交換、レポート交換などが主になり、実際の本文をやり取りすることが少ないという場面も多いです。もちろん、そうした交信もアマチュア無線ならではの楽しみ方であり、十分に魅力的です。
しかし、「本当に交信している」という感覚を求めるのであれば、やはり本文のやり取りがある和文交信が私にとっては特別です。本文がしっかり送れることで、相手とのコミュニケーションが深まり、無線の本来の醍醐味を味わうことができるのです。
和文モールスで深まる無線の楽しみ
やはり、和文モールスは「ただのやり取り」ではなく、「しっかりとしたコミュニケーション」が取れる手段だと私は感じています。時間はかかるかもしれませんが、その分、無線機越しに相手との距離が近く感じられます。モールス交信の本来の楽しさ、すなわち「相手と心を通わせる」瞬間が和文ではより強く感じられるのです。
和文のモールス通信に少しでも興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。最初は慣れないかもしれませんが、少しずつやり取りを重ねていくうちに、その楽しさに気づくはずです。無線を通して感じる、相手との心の交流、それが和文モールスの最大の魅力です。
一度味わうと、その温かさと充実感にやみつきになること間違いありません。ぜひ、一緒に和文交信の世界を楽しみましょう!