先日の続きで、NanoVNA の測定ジグを実際に使ってみました。
テストボードの試用
コイルとコンデンサで ”LC ノッチフィルタ” を構成して、テストボードに配置しました。
(iPhone アプリ RF-Toolbox 使用)
公称値が 10pF のセラミックコンデンサと、330μH マイクロインダクタを使いました。
中心周波数が、fo = 2.77MHz 付近を示してくれるといいんですが。。。
一応、DE-5000 を使って、L と C それぞれの値をチェックしました。
校正はチッププローブを取り付けた状態で行いました。(LC 測定では CAL 必須です。)
公称 330μH → 328.1μH
公称 10pF → 10.5pF
NanoVNA では、中心周波数 2.205MHz と表示。
当初思っていた値から大きくズレた結果となりました。
DE-5000 の計測値である C = 10.5pF、L = 328.1μH で計算しても 2.71MHz なので、この 500KHz ほど低くなった原因としては、テストボードにパーツを雑に配置したことによる浮遊容量などが影響したんじゃないかと思慮してるところです。
やっぱ、高周波回路は思うようにはいきません。。。
実際に回路を実装する際は、トリマコンデンサやバリコンなどで同調をとる。
とまぁ、そういうことなんですね。
続いて、チップコンデンサの容量を測定してみました。
1206 のチップコンデンサ(SMD)、公称値 33pF を測定してみました。
1206 のパッド(ランド)に、チップコンデンサをそのまま載せて測定しました。
今回は 1206 のチップをパッドに置いただけで測定しましたが、いくつかのパーツで構成するフィルタのような回路を試験するなら、こんな感じにパッドにただ置いただけでは接触不良を起こしてしまうので、小さなアクリル板をチップの上に重ねて、その上から洗濯ばさみやクリップで挟み込むことでズレがなくなり測定することができると思います。
公称値 33pF → 実測値 32.8 pF
1MHz → 36.4pF
50MHz → 37.2pF
100MHz → 37.9pF
400MHz → 37.2pF
500MHz → 116pF
1MHz ~ 500MHz の変化で、チップコンデンサの容量は 36.4pF ~ 116 pF と変化。
400MHz までなら容量の変化も小さく、なかなかイイ感じです。
ただし、DE-5000 の実測値 32.8pF から若干高く表示されるという結果になりました。
ん~。
高周波回路って、試験環境の影響もモロかぶりになったりするんで・・・
なかなか、設計通りにはならないし、ムズカシイね。
でも、NanoVNA を使うことで回路のインピーダンスなんかが視覚的に把握できたりするんで、なんか知った気になれて・・・オモシロいですね。