LPF モジュール 2作目
秋月電子のトロイダルコアでコイルを作り Q 値を測定、LPF を作り直してみました。
結論から先に言えば、コイルの違いによるパワーの変化は見られず、コンデンサの種別を変えてみたところパワーがアップしました。
前回作成した LPF 基板から Q 値を測定するため、コイルを取り外しました。
L1
7MHz → Q = 72
L2
7MHz → Q = 55
L3
7MHz → Q = 54
L4
7MHz → Q = 106
L1 ~ L4 のコイルの Q は 50 以上あるので、トロイダルコア自体の品質は良品だと思われますが、秋月電子のもの(1作目で使ったコアの出所は不明)と比較もしてみたかったので、改めて作り直して実験してみました。
(ちなみに、T37-2 とT37-6 のトロイダルを、秋月電子以外のアキバのラジオデパートと千石通商からもいくつか買ってきたので、それらのコアでもそのうち試してみます。@100円程度で売ってました。安い。)
以下、秋月電子のトロイダルコアで作り直した結果です。
L1
7MHz → Q = 88
L2
7MHz → Q = 66
L3
7MHz → Q = 71
L4
7MHz → Q = 90
前回作った1作目のコイルより総じて Q 値は高めの結果が得られました。
前回作った LPF モジュール基板を流用(コンデンサは前作のまま)して、新たに秋月電子で入手したコイルを付け直してパワーを測定したところ、前回とまったく同じ結果となりました。
今回の結果から、コイルの Q 値として 50 もあれば、その出力に影響を与えないことが分かりました。
ということで、消去法から考えると、残りはコンデンサの特性が影響してるんだろうということで、早速確認がしたくなり、耐圧が 50V と小さなコンデンサではありますが、秋月電子の積層セラミックコンデンサを使って、もう1枚 LPF モジュールを作って実験してみました。
1枚目の基板で使ったコイルを流用して作りました。(写真、右)
測定環境
uSDX の設定は前回と変わらず。
uSDX の電源電圧を DC12V で測定
FRANKENMETER での測定値は PWR=3.0W(前回は 2.2W)
この時の電流は 0.43A(前回は 0.38A)
自作の終端型電力計の結果
uSDX の電源電圧を DC13.8V で測定
PWR = 4.0W(前回は 2.9W)
この時の電流は 0.48A(前回は 0.43A)
自作の終端型電力計の結果
uSDX の電源電圧を DC15.0V で測定
今回は、電源電圧を 15V まで上げてやってみました。
PWR = 4.6W
この時の電流は 0.52A
自作の終端型電力計の結果
最後に
思うようにパワーが出なかった原因としてトロイダルコアの品質に問題があるだろうと最初から決めつけていたんですが、これは間違っていたみたいです。前回作った LPF 基板からコイルを取り外して Q 値を調べたところ、まともな Q 値でありトロイダルコア自体の問題は見つかりませんでした。あと影響することとして考えられるとすればコンデンサの高周波特性くらいで、今回取り急ぎ手持ちのパーツを使って実験してみましたが、なんとか DC12V で 2W 以上は出るようになりました。ただ、DC12V で 4W 出ている YouTube 動画もあるので、まだ改良の余地は残っています。(FRANKENMETER では DC12V で 3W と表示していますが・・・QRP でちゃんと校正しているパワー計を所有していないので、この測定結果が正しいかどうかは、ホントのところ不明です。。。 )
ということで、最後に LPF モジュール作成で注意することとして挙げておくと、
- コイルはインダクタンスだけではなく Q 値も調べておく
- コンデンサは高周波特性が良く、耐圧が大きなものを使う(リード間は 2.54mm のものが望ましい)
ということを念頭に置きながら製作することが望ましいと、強く感じた次第です。
今後の課題としては、高周波特性が優れていて耐圧が大きなコンデンサをどうやって入手するかであり・・・これについては、今のところまったく情報を持ち合わせていないので、これからゆっくりネット界隈で調査してみよかと考えています。