前回と同じ7メガの LPF を作りました。
回路は前回のものと同じです。
挿入損失がなかなか 0dB 以下にならず、コアの巻数を変えたり、コンデンサの容量の組み合わせを色々変えてみたりと、0dB 以下に追い込むまでに基板は3枚も試作して、コアにあっては、5回は巻き直しました。
コンデンサの容量を 270pF から 1000pF まで色々変えてみましたが、コンデンサの組み合わせでは、挿入損失の変化はさほどありませんでした。
L1=15T、L2=16T、L3=15T で巻いたコアを基板5枚分の15個作って特性を調べたところ、挿入損失はコアの作り方で変化することが分かりました。
作成したトロイダルコアは、同じような力で、同じように巻いたんですが、その挿入損失は -0.37dB から -3.35dB と大きな違いが生じました。
見た目はまったく同じようなコアなんですが、どうしてこうなってしまうのか、微妙に巻き方に違いがあるのか・・・その原因はよく分かりません。
基板 ① の特性
基板 ② の特性
基板 ③ の特性
最終的に、挿入損失が一番良かった -0.369dB の基板をケースに入れることにしました。
今回はケース加工が簡単に済むように、”丸座” の BNC 接栓を使いました。
ラジアスルーラで穴径を計測し、直径10mm の丸穴を2個あけるだけです。
前回の角座に比べてこの丸座の BNC は簡単に取り付けられるので、LPF 自体も短時間で作ることができました。
ケースに入れた後の特性も、”基板③の特性” と、ほぼ同じです。
7メガの LPF をシリーズに接続。
LPF × 2 段の特性
LPF 2段でも、挿入損失は -0.695dB と-1.0dB 以下に収まりまりました。
また、2倍の 14MHz で -77dB の減衰が得られました。
21MHz で -78dB、77MHz で -77dB の減衰が得られました。
最後に、諸元を入れてラベリングです。
ということで、今回の試作を通して、挿入損失の良し悪しはコアの作り込みによる影響が大きいことが分かりました。これからの LPF 作りでは、NanoVNC をフル活用しながら、最良なコアになるまでエナメル線を何度も巻き直そうと思います。結局、こういう作り方がイチバン近道かもしれませんね。
今回の LPF も使って2段構えにすれば、77MHz で -77dB の減衰が得られるので、おそらく中華リニアアンプのスプリアスもキレイに消えるはずで、実際の測定はまた今度やってみることにします。
ただ、ここまでやっていて気が付いたのですが・・・
今回使った φ0.6mm のエナメル線じゃ 50W の出力はキツイんじゃないかって。
T50 よりもっと大きな直径のコアに、何ミリか分からないけど、もっと太いエナメル線を巻かないとダメなんじゃないかって。
(ちなみに、中華 100W のアンテナチューナー ATU100 は、T68-2 に 0.8mm のエナメル線を巻いています。)
まぁ、前回と今回の LPF は、QRP の 5W なら全然平気で、まぁ基本 10W 用ということで、短時間ならガンバって 50W といったところじゃないかと考えています。
ということで、LPF 作りは沼で、まだまだ続く、長い旅になりそうです。。。