JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

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ハムのカタログ

ハムフェアでもらった TS-890 のカタログ。

こういうカタログってディープな専門用語が多くて書いてることが難しい。
たった数ページだけど、しっかり読もうとすると何十時間も必要。

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カタログの写真以外の文字といったら、もう難しい専門用語のオンパレード。

「3つのダイナミックレンジ特性でもトップクラスを実現・・・」

  • 三次相互変調ダイナミックレンジ
  • レシプロカルミキシングダイナミックレンジ
  • ブロッキングダイナミックレンジ

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・・・って、それぞれ、いったいなんだ?

「これでなにがどう変わるんだ。」
「こんな専門用語は4級ハムの教科書にも試験にも出てこないぞ。」
「1アマの教科書にもまったくでてきやしない。」

と、カタログだけど・・・
カタログに書いてることがわからないという、なんとも奇っ怪な現象。。。

まぁ難しいことがたくさん書いてあった方が、それだけ凄い機能に思えて・・・
それだけで、販売も促進するんだろうけど。

カタログの紙質もそれなりに厚くて艶もあるし、ばっちりインスタ映えしてる。
カッコよく写った TS-890 が表紙のこのカタログ、なんかわからないけど・・・凄そう、なんてね。

これが、ぺらぺらの A4用紙に白黒印刷じゃ、やっぱダメなわけね。


■ ■


見た目豪華なカタログよりも、メーカが発表する新たな技術をもっと詳細に知りたい・・・
という、そんなハムも意外に多いと思うんだけどなぁ。

ハムフェアで各メーカのブースをうろついてたら、ディープな質問してる人が結構いたよ。
説明者が営業担当だったのか、「 技術担当呼んできます 」なんていう、そんなやりとりが頻繁に聞こえてた。

そんな新しい技術に食い気味で質問している人たち見てたら、ハムフェアに足を運ぶハムってみんな技術が好きなんだなぁって嬉しく思えたり。

で、再びカタログの話しに戻すけど。
わたしの願いとしてはぺらぺらな紙でいいから、もっとページ割いて専門用語の解説を載せてほしい。

ハムの本には最新カタログに載ってるような技術なんてあんまり書かれてないからね。
たとえ書いてあっても概要ぐらいだし、せめてメーカのカタログには、「初めてハムになりました」っていう人にもわかるような解説があってもいいと思う。

だってムセンキを買ってもらいたい対象者って免許取ったばかりのハムなんでしょう。
だったらそういうハムにもわかるように解説するのは当たり前のことだと思うんだけどなぁ。

開発者が直接関わるメーカのカタログだからこそ、その設計思想を含めた技術的な解説を、4アマにもわかるような書きっぷりで正確に教えてほしい。

せっかく工学を学んで免許取ったんだから、これから買おうとするムセンキがどんな技術で動いているのか、ちゃんと知りたいからね。

ハムになる人って家電量販店でカラーテレビを選んでいるような人たちと根本的に違っていて、ホント技術が好きだからね。

それこそ30年も40年も趣味はハム一筋っていうなら、その長いハムライフの中で発表されてきた最新ムセンキのカタログを読み解きながら歩んできたわけだから、それなりに技術も蓄積されてると思う。
そういうハムなら、今時のカタログも難なく読みこなすことはできるでしょう。

だけど、ハムの経験が少なかったりすると、各社のカタログのスペックを比較しながら自分の運用に合ったムセンキを選択するって難しいよ。

今のカタログって、それこそ一部の OM だけがわかればいいというような書きっぷりになってるから、まぁ初心者ハムには優しくないからね。

もはやインスタ映えするカタログの、その見た目の豪華さだけが購入時のチェックポイントだとすると・・・それはもうとっても寂しいことだよ。

昔は CQ 誌も技術誌だったから毎月しっかり読んでいればカタログの内容くらいは自然に理解できた。
それにホントの意味での技術誌、ハムジャーナルも発刊されていたし、そこにはディープな技術がアマチュアにもわかるようにかみ砕いて詳細に解説してあった。

そして、OM と呼ばれる人たちは、みんなこういう雑誌を購読してたし、
休日の 14MHz SSB はメーカから発表された新しい技術を肴に大賑わいだったよ。

 

■ ■


今・・・

ムセンキに搭載されている技術はそれこそ最新技術の集大成。

個人が趣味で技術を追いかける時代じゃないことくらいは、わかってます。
アマチュアが理解できる領域を遙かに超えていることも、わかってます。

それと、専門書籍なら今の方が充実していて、
学ぼうと思えばいくらでも学べる環境だってことも、わかってます。

・・・だけど、どれもがその道のプロが読むものばかりで、ハムには敷居が高すぎます。

もうハムが最新技術を理解するなんてことは、無謀なことなんでしょうか。

カタログの各スペックを正しく理解しようとしたって、どの項目も奥が深くて難しい。
たとえその技術を知ったところで、こんどは修理することも、改造することも、とてもじゃないけどムリだから。

でも・・・やっぱりカタログは読めるようになりたい。

ハムの月刊誌に掲載される数ページ程度の記事じゃ今のカタログなんて読めやしないので、そこはメーカさんにガンバってほしい。

それがムリなら、「無線機カタログの正しい読み方」といったタイトルの、分厚い本でもどこかの出版社さんが発刊してくれたら、とっても嬉しい。

ハムだって、ムセンキのスペックぐらいはちゃんと理解したいからね・・・。

 

 

------------ 2018/11/19 追記 ------------


11/19 発売の 別冊CQ ham radio QEX Japan No.29 に TS-890 のプロダクト・リポートが掲載されてました。

全9ページの記事ですが、これを読めば TS-890 のカタログも読みやすくなると思います。

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