JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

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7メガの和文交信、受信練習に向いているのでしょうか?

7メガでの和文交信は、和文を始めたばかりの方には聞き取りにくいかもしれません。もちろん、すべてが難しいわけではありませんが、内容の聞き取りは一工夫必要かもしれません。

特に、和文電信ではバグキーを使う OM が多く、エレキーの短点・長点が 1:3 の符号に慣れている状態で、バグキーの符号を聞くと違和感を覚えてしまうのではないでしょうか。

これは、和文交信に慣れている OM に多く見られることなのですが、送信しようとする文字が先走ってしまうのか、符号と符号の間隔がなくなっているモールスをよく耳にします。

特に、「アリガトウゴザイマス」や「リョウカイシマシタ」のような頻出のフレーズは、もう高確率で符号は一本につながっていて、濁点のある文字になると、ほぼ 100 パーセントで、つながっています。

「ザ」や「バ」といった文字の場合、その符号はそれぞれ -・-・-・・(ザ)、-・・・・・(バ)となります。これらの符号は和文電信の中には存在しないため、新たに濁点がついた符号として覚えることで、何とかなります。しかし、「ベ」のような文字の場合、符号が・・・となり、和文の「ラ」と同じ符号になります。このため、受信する側は前後の文字から「ベ」なのか「ラ」なのかを判断しなければならず、その結果として、受信時に余計な神経を使うことになり、頭が疲れてしまいます。

で、先日も7メガで、符号と符号がつながったバグキーで送信している局の交信を聞いていたのですが、このバグキーの局は、台風に関する話題を送信していたのですが、受信が上手くできなかったのか、相手局はまったく別のことを送信していて・・・ワッチしている身としては、それぞれが一方的に和文電信を送信しているとしか思えない、まったくかみ合っていないというか、会話になっていませんでした。日常会話では相手の話をきちんと聞くことが大切と言われますが、和文電信の世界では、相手の符号が聞き取れないまま、一方的に話をするようなことも度々あるというのも、また面白い世界であり、受信スキルはとても重要です。

ということで、和文を始めたばかりのハムにとって、7メガでの和文交信を受信練習に使うのは難易度が高いと感じます。

 

 

7メガの和文電信

1. 受信内容が正確性に欠けることがある

和文で交信する多くの局は暗記送信を行っているので、結構な頻度で文字の中抜けが発生します。
いわゆる、誤字や脱字というやつで、送信内容が意味不明になることがあります。

2. バグキーの使用が多い

和文交信では、バグキーの利用者が多いです。これが生むクセのある符号、特に短点のみの自動送信は、1:3 の正確な符号に慣れている方々にとっては理解しにくいことがあります。

 

3. 定型文の多さ

和文交信においては、挨拶や天気の話といった定型的な文が多く、これが受信練習としての効果を薄れさせてしまいます。なぜなら、次の文字や言葉が予測しやすく、真の練習としての価値が低くなってしまうからです。
”あり” なら "ありがとうございまます"、"よろ" なら "よろしくおねがいします" と予測ができてしまいます。

一方、高速で交信している局では、定型的な言葉は少なくなりますが、今度は一変してクセが強くなるというか、1:3 の符号を超えた、いわゆる流ちょうに交信する真のベテランが多くなり、これはこれで初学者にはムズカシイ符号となります。

 

4. 未熟な符号の存在

一部の方々は、自身の技術の未熟さに気づかず、「私は芸術的な符号を送信している」と誤解していることがあります。こういった場合、バグキーからパドルへの変更、そしてエレキーでの送信を検討するのも一つの方法です。(でも、面と向かってそんなことは言えませんよね。)

 

最後に

このような背景から、和文電信の練習として7メガをワッチするのは、初心者にとっては学びの進行を遅らせる可能性があると考えています。実際、7メガで和文交信の受信に挑戦して、難しさを感じて和文電信から離れてしまうハムも少なくありません。

でも、この現状が和文交信の実情なのです。

確かに、バグキーによる和文交信には 1:3 の機械的な符号よりも人間らしさを感じ、好まれる傾向があります。これがベテランの中では心地よく感じられるのも事実です。

しかし、初心者の皆さんには、まずは 1:3 の正確な符号をしっかりと聞き取れるようになってから、バグキー符号の受信に挑戦してほしいと思います。これは、筆記でいうところの、楷書をしっかり書けるようになってから草書に挑戦するのと似ていると思います。

ということで、モールスも芸術的なところがあると思っていますが、最初から崩し符号に走らずに、まずは正確な 1:3 の符号を心掛けながら和文を楽しめばいいんじゃないでしょうか。

ホント、7メガの和文って、奥が深くて、ムズカシイですよね。