なんとも意味深なタイトルなんですが。
今どきのハムの運用で、「電鍵」なんていらないんじゃないかな、って思ってみたり。
(理由)その1:電鍵の操作ってムズカシイから
この電鍵操作。
特にこれから CW を始めようってハムにとって、実際に電波を出すまで時間が掛かり過ぎ。
楽しいはずの CW に、こんな苦痛を強いる練習というのは、いかがなものかと。
やっぱ、CW 入門者に電鍵なんていらないよ。
電鍵操作には、圧下式とか反動式とか、そういう打ち方があるのはご存知ですか。
こういう打ち方を、それこそ手を取って教えてくれるような、そんな奇特なハムが周りにいなかったりすると、もうお手上げ。
自力で習得するには高い障壁もあったりするので、最初から止めといた方が無難です。
「電鍵の操作方法」などと紙に書いてあるようなことを見よう見まねでやってみても、なかなか上手に打てるようにならないし、独学ゆえの変な癖がついてしまったり、それこそ手崩れなんか起こしてしまったら、もう本当に電鍵が触れなくなってしまいます。
電鍵に最初に触れる時だけでも、縦ぶれ電鍵の基本を学んだことがあるハムに教えて貰った方がいいし、もし今はいないなら、そういう人と知り合うまで電鍵のことは忘れることが賢明だと思います。
適当に覚えた電鍵操作。
もちろん、その符号は汚いでしょう。
しかも、すぐに手首や腕が疲れてしまい・・・何時間も叩けないでしょう。
基本に忠実な電鍵操作では、もうなん時間でも疲れずに、キレイな符号が叩けるものです。
昔々、バグキーもない時代のプロ達は、それこそなん時間でも電鍵は叩けたわけだし、そういう事実からも、その基本の大切さと、プロの凄さが分かります。
(昔の米国のおばさんオペレータ達の縦ぶれはスゴイよね。ホント、キレイな符号をなん時間でも続けて叩けるんだから。弟子入りしたいよ。)
ということからも、電鍵って CW を始めたばかりの入門者が最初に手を出すものじゃないんだよね。
ただし、どんなことでも新たなことを習得するのは辛いことと、修行好きな御仁はこの限りではありません。
■ ■ ■
CW 入門者。
それこそ、今すぐにでもモールスで交信がやりたいよね。
とあるベテランハムは言いました。
「CW の送信といったら、縦ぶれ電鍵が基本なんだ。」
「この縦ぶれ電鍵がちゃんと打てるようになってから、エレキーのパドル操作を学ぶべきなんだ。」
・・・と。
縦ぶれ電鍵で正確な 1:3 の感覚を身に付けてから、次のステップへ進めってことをいってるんだけど。
これ、今の時代にまったく合ってないから・・・。
どうしても、昭和の大 OM さんって、今の若年ハムにもそういう厳しさを求めてくるんだよね。
まぁ CW にアクティブな OM というか、和文電信バリバリの OM って、元々がプロの電信マンだったりするので、最初に学んだのも縦ぶれ電鍵なわけで。
バグキーの使用でさえも邪道で、モールスは手動で叩くものと、しっかり叩き込まれた口なんだよね。
確かにプロでは1文字のミスが大きな損失や損害を生むことになるので、短点や長点を機械任せにすることは考えられないことで、頭で考えた通りに手首を動かし、しっかりした意識の中で、短点と長点を送出する・・・。
とはいっても、わたし達は趣味でモールスを楽しんでいるという、ただのハムなんでね。
今どき、電信のプロを目指すような人もいないと思うし、なっても職なんてないから。
モールス自体、もはやハムという趣味の世界だけのものになってる、これが現実ですよ。
趣味のハムの世界で修行僧のようなことは不必要だし、逆にそういうことを避けた方が CW を長く続けられると思います。
で、こういうハムにそそのかされて、高い電鍵買ってきて、手取り足取り教えてくれるでもなく・・・
結局最後は、大理石の立派な電鍵は、ただのシャックのオブジェになるのでした。Hi
こういうハムさん、貴方の周りにも結構いるんじゃないですか。
ちなみに、どうしても電鍵が欲しいというなら、電鍵だけはちゃんとしたヤツを買った方がいいですよ。
オモチャみたいな安いヤツは絶対に買っちゃダメだよ。
(わたしの推しは、ハイモンド HK-808 一択ですね。HK-702 でもいいけど。)
電鍵なんて要らないといいながら、もう少し電鍵の話を書きますが。
で、この電鍵操作なんですが。
電波使った交信で教えられるもんじゃないよね。
今どきなら YouTube っていう手もあるけど、それでもなかなか難しいかな。
誰かの動画を見ながら習得するよりも、やっぱり実際に打ってるところを見て貰って、その人なりのクセとか把握してその都度修正して貰わないと、ダメかな。
大工さんのカンナかけなんかと同じで、教えるのが上手なベテラン職人さんにでも傍に付いて貰いながらじゃないと、ド素人がカンナなんてかけられないからね。
まぁ、そういうことだね。
それでも、なんだかんだとガンバって自力で電鍵操作を覚えたとしても、今度はなかなか電波って出せないんじゃないかな。
電鍵操作で電波出すって、自分だけの問題じゃないからね。
電鍵は交信するための道具なんで、結局は相手にそのままんま伝わるんだよね。
自分だけがよければいいってもんじゃないところも、ことさらに難しいものにしてる。
ということで、CW入門者にとって必要以上に習得に時間が掛かるような電鍵なんて要らないんじゃないかって思うんです。
(理由)その2:理由というか、解決策です
電鍵は不必要といっても、CW まで止めた方がいいとは、まったく思っておりませんので、お間違いないようにお願いします。
実は今どきはパドルさえあれば、もうそれだけで十分に CW は楽しめるということなんです。
CW に興味を持つようなハムなら、もうすでに HF の無線機は持ってますよね。
で、最初から備わっている、エレクトリックキー(エレキー)を使えばいいだけなんですよ。
これ使えば、いつでも簡単お手軽に、正確な 1:3 の符号が送信できるからね。
しかもその機能といったら実に豊富で、バグキーにもなるし、符号の比率だってパラメータだけで簡単に変えられる。
もう、至れり尽くせりの充実っぷり。
モニタトーンもこれ以上にないくらいのキレイなトーンで、もう何時間でも疲れず聞いてられる。
これだったら、送信練習だって楽しく続けられちゃいますよ。
今どきの無線機ならパドル1台繋ぐだけ。
あとは、もう何も必要なし。
CW入門者の電波発射デビューも目前です。
長い時間かけて電鍵操作覚えたって、結局最後はパドル操作メインの運用になるんじゃないの。
今の7メガの CW バンドをワッチしたって、ほぼほぼ全員が 599BK のエレキー操作なモールスだよね。
CW コンテストにしたって、それこそみんなパドル使ったエレキーだよ。
無線機付属の CW メモリ機能で、ボタン一発のハムも多いよね。
とまぁ、いずれにしろ、入門者であればあるほど電鍵操作で電波出してる人なんていないし、電鍵操作で電波出せるような運用すらないのが、今どきのハムだから。
昔はね。
欧文のラバースタンも盛んで、よくそういう通信で縦ぶれ電鍵のモールスを聞いたもんだけど。
今となっては和文の交信くらいかな。
縦ぶれ電鍵とか、複式電鍵とか、バグキーのモールスが聞けるのは。
結局のところ大概のハムは、いうほど、所有するほど、縦ぶれ電鍵は使っちゃいないんですよ。
CW 入門者にとって一番大切なこと。
それは、やっぱり楽しいままでで CW デビューすることかな。
実運用でもさほど使わないような電鍵操作にとらわれずに、パドル繋いで楽しくね。
まずは、相手のコールサインを間違えずに聞き取れるようになって・・・
そして、送信はパドル使うか、メモリボタン押すかで・・・599BK。
CW は電鍵じゃなくパドルを持つことが大事。
小難しい電鍵なんて最初から持たない、そして考えない方が、CW デビューは絶対に早いから。
伝統芸能のような電鍵は、599BK の CW の運用に慣れて、余裕が出てからやった方が、絶対楽しく修行できるから。
CW 入門者が今やることは。
パドルによる 599BK の通信に早くなれることだけ。
599BK の交信の数だけ 1:3 の符号の感覚も身体に沁み込むし、実践における受信能力だって向上しますよ。
■ ■ ■
ということで・・・。
今日は CW 入門者には電鍵なんていらない、なんてちょっと乱暴な言い方をしてしまいましたが、これも CW 大好きなブログ主の思いからで、ひとりでも多くのハムがパドルを使って CW へ参入してくれることを祈りながら、個人的なたわごとをダラダラと書かせてもらいました。
CW の敷居を下げたいし。
そして、モールスの楽しさと魅力を、たくさんのハムに伝えていきたいなぁ~。
中級以上と自認する人は、引き続き「縦ぶり電鍵」の修行、お互いですが頑張っていきましょう。
将来的に、和文でも・・・ってことになったら、その時に電鍵操作を始めればいいんじゃないでしょうか。
そのときになれば、苦しい修行も楽しみながらやれると思います。