今日は 「暗記送信」 の話しです。
欧文ではラバースタンプによる交信が一般的です。
交信で使用する会話文をあらかじめ定型文(QTH、QRA等)として作成しておいて、
実際の交信ではその定型文を見ながら送信する。
CW で DX 局と英語で会話する。
そんな局はごく僅かでしょう。
CW はアワードや DXCC を獲得するためで、
自分のコールサインと、599BK だけが送信できればそれで満足。
欧文+エレキー局の大半はこのタイプでしょうか。
この 599BK な CW は、パソコンだけでも可能なため、
どちらかといえば、
「RTTY のようなデジタル通信を楽しんでいる」
といった感覚に近いのではないでしょうか。
和文の場合は、
欧文の 599BK のスタイルとは全く違っていて、
どちらかと言えば一般的な交信である SSB 通信と似ています。
SSB で話していることをそのまま「和文モールス」に変換して話している、
とまあ、そんな感じの運用です。
和文愛好者は、
「ただ、純粋に会話を楽しむ」ことだけを目的にしていることが多いので、
「ノーQSL」は当たり前・・・そんな世界です。
(コンテストやアワード、DXCC などに無縁な局が多いですね。。。)
どちらの運用がハムらしいかといえば、
わたしとしては、欧文の運用の方がハムらしいんじゃないかと思ったりもしています。
それでは、前置きはこれくらいにして、
今日のお題の、
和文の重要なスキル、「暗記送信」を鍛える方法を紹介します。
漢字が多い文章を使って送信練習する
送信練習と言うと、
すぐに思い浮かぶのが、
情報通信振興会の「和文電報練習帳」を使って練習すること。
ところが、この練習帳ですが、暗記送信の練習では使えません。
あくまでもこの練習帳は、
送信する際の手首や指の運動、
送信姿勢の確認と矯正で使うものです。
それじゃ、何を使って練習するかというと、
小説や新聞などの、漢字が多い文章を使って練習するのです。
暗記送信を鍛えるには、この方法が効果的です。
理由ですが、
漢字文をモールスで送信する場合に、
脳の中でいったん漢字をカナに変換しますが、
この脳内変換の繰り返しが、暗記送信を鍛えるのに向いているからです。
文章の中に漢字が多ければ多いほど、暗記送信には最適な素材となるのです。
慣れてきたら、句点までの一文を暗記して送信練習する
最初のうちは、小説などの文章を目で追いながら送信を行います。
これが突っかからずにリズミカルにできるようになったら、
今度は句点までの一文を一気に暗記して、
目を閉じて(文字を見ないで)送信してみるのです。
送信はつまずかない一定の速さで行います。
ミスなく、リズミカルに送信できるように練習します。
これも誰かに聞いて貰うのがいいのですが、
それが無理なら、スマホなどで録音して、自分の耳で確かめてみるのです。
実際の和文通信では、
「次の言葉がスムーズに浮かばない」
「会話のどこの部分を送信しているのか見失ってしまう」
という予測なき事態が起こるものです。
送信中にこうなってしまうと、
途端にリズムが乱れてしまい、もう間の悪いモールスへと一変してしまいます。
和文で交信するというのは、
暗記送信の技術だけでなく、瞬間的な会話の構成力も併せて必要になるため、
「会話をするように和文を行うことは難しい」
のです。
ということで、
送信術の手さばき向上は勿論、他にも鍛えなければならない複合要素はたくさんある、
というのが正直なところです。。。
ということで、今日は「暗記送信」の話しでした。