今進めている micro:bit のプロジェクトについて
先日、「ハムの場合は欧文で経験を積んでから和文を覚えるのが一般的・・・」のようなことを書きましたが、このあたりのことについて捕捉しておきます。
まぁハムでは、その運用を考えても欧文から覚えるのが普通ではないでしょうか。
交信する上で必ず必要となるコールサインもアルファベットと数字から構成されてるわけで、どうしたってアルファベットの欧文だけは覚えないと 599BK の交信すらできません。
ハムの試験だってモールスは欧文の筆記だけです。
まぁ世界的にみてもアルファベットと数字だけ覚えていれば事足りてしまうのも事実です。
欧文だけで大抵の遊びはできるので、どうしても和文で話がしたいとか、何か特別な理由でもない限り和文なんて覚えないので、ハムという遊びの中での和文はずっと低い優先順位なんだろうと思います。
ということで、ハムでは欧文だけ知ってれば世界中の人と 599BK でカード交換できるし、わざわざ和文を覚えてまで会話する必要はない、とまぁそういうことなんだろうと思います。
ハムは欧文中心の世界なんで仕方ないことなんですけどね。
・・・と、こういう状況において、
ハムはまったく知らないけどモールスには興味がある
って人に対して、「モールスってこういうものだよ・・・」って、レクチュアする時なんですが。
やっぱり、得意な欧文を例に出して説明しますよね。。。
■ ■
で、今日言いたいことなんですが。
ハムじゃない人が最初に触れるべきモールスは、欧文じゃなくって、和文じゃないかってことなんです。
特に今始めている micro-bit のプロジェクト。
この micro:bit の主たる対象者は小学生で、ハムをまったく知らない子ども達だと思うんです。
だったら最初に覚えるのは和文の方がいいんじゃないかって。
ちなみに、これはプロの世界の話ですが。
プロの養成所では欧文より先に和文を覚えるカリキュラムになってるんですよ。
対象がこれからプロになろうって人たちなので、ハムのようにすぐ CW で交信がやりたいってことじゃないので、和文のイロハ・・・と数字をしっかり受信できるようになってから、オマケのように欧文の練習を開始するのです。
欧文の符号は和文にすべて包括されているので、和文を覚えた後の欧文は苦にならずにすんなり入ってくる、らしいです。
(わたしは欧文から覚えたので・・・その辺の感覚は不明ですが。。。)
とまぁ、micro:bit でモールスを・・・という小学生が(もし)いるならば、欧文より先に和文を覚えることを強く勧めたいのです。
(micro:bit 入門の題材で、ブザーを鳴らすようなことを頻繁にやってるようなので。)
ハムじゃない小学生がコールサインを聞き分けることもないし、そもそもアルファベットも知らない小学生が欧文を先に覚えるなんて難しいですよね。
小学生なら逆に和文を覚える方が簡単じゃないかって思うんです。
それに、せっかく覚えてもすぐ試せないに欧文(アルファベット)じゃ、モチベが上がらないと思うし。
だって、欧文を覚えたところで友達と会話なんてできないでしょう。
そんなのゼッタイ、面白くないからね。
モールスという言葉以外のコミュニケーションツールで、友人とバカ話できるところがオモシロイわけで、先生やハムが子ども達にちょっとした切っ掛けを与えてあげるだけで、競い合って和文を覚えると思うんだけどなぁ。
遊びとしての和文、友達とふざけ合いながらだったら、柔らかい頭です~っと入ると思いますよ。
で、昔の懐かしい話なんだけど、紙に書いた文字が水に濡れると消えてなくなるというスパイ手帳なる玩具があったの、覚えてますか。
当時のわたしは、紙に書いた文字が紙ごと水に濡れると消えることに衝撃を覚え、それこそ夢中になってスパイごっこで遊びました。
子どもってそういうスパイごっこ的な遊びって大好きですよね。
今の小学生だって昔の僕らと一緒で何も変わらないと思うし、モールスなんて、もろスパイごっこぽいし、子どもの遊びの中にモールスを流行らせることなんて、意図的にでも簡単にできるんじゃないかなぁ。
繰り返えしますが、子どもが最初に覚えるモールスは和文がいいってことなんです。
遊びの中で先生や友達の悪口が言える(笑)ものじゃないと、まぁつまらないしダメなんだよね。
■ ■
とまぁこれはわたしの勝手なお節介だったりするんですが、どうしても和文も欧文も覚えられないというなら、せめて欧文の SOS だけは覚えておいた方がいいですよ。
SOS なら "S" と "O" の2文字の符号を覚えるだけだし、できれば実際の音も聞いてリズムとして耳に残しておくといいです。
(実際の SOSは、・・・---・・・ と、符号をひとつにつなげますが。)
それから、せっかくなのでもう少し正確に言うと、電波法的には SOS は遭難通信のことで、海や山で遭難した時に使うものなんです。
普段の生活の中で関係する、地震や台風、洪水、津波、雪害、火災、暴動などの非常事態では、非常通信の OSO(SOS と逆?) を使うことに定められてます。
でも、こんなことは、どうでもいいことなんです。
こういうことは、無線従事者同士が行う業務通信の世界だけでやっていればいいわけで、一般社会ではどうでもいいことなんです。
古くはピンク・レディーの SOS、映画や TV ドラマでも広く知れ渡っている、
「ピンチの時には SOS」。
電波法的には間違ってるかもしれないけど、このフレーズはもはや一般的で広く知れ渡ってますからね。
限られた世界で通用する電波法はムシして、非常事態に対応できることこそ、イチバン重要ですから。
いつ身に降りかかるかわからない非常事態に備えて、モールスの SOS (S と O の2文字)だけは覚えておくのです。
ほかの余計な符号を覚えることに夢中になり過ぎて、この肝心な SOS がうろ覚えになるくらいなら、最初から SOS 以外のモールスなんて覚える必要はないですよ。
とにかく、ピンチの時には SOS です。
「短い音3つ、長い音3つ、短い音3つ」って覚えておけばいいだけです。
有事のためにも、どの大人もこの SOS のモールスだけは知っておいて欲しいと思います。
言葉を発することができないような状況下で、子どもが大人にこの SOS で助けを求めたとしても、とうの大人がそのモールスを知らないとしたら・・・残念だし、悲しいことです。
この SOS はピンチでも使えて、しかも世界共通ですからね。
「短い音3つ、長い音3つ、短い音3つ」だけは、老若男女、覚えておいても絶対に損はありません。
■ ■
で、話が ”子どもに和文を覚えさせよう” からだいぶ横道にそれましたが、最後に話を戻して。
micro:bit を小学生の IoT 教育にとお考えの教育関係者がおられましたら、是非とも子ども達に和文モールスに触れる切っ掛けを与えていただければと思います。これは、電子・電気への興味と、未来のハム誕生へつながるとっても意味深いものになるので、ホントよろしくお願いします。