お気に入りのパドルの紹介です。
わたしは V/UHF で和文を楽しむ時は、
JA1UXR(池上OM)の 「誰でも作れるエレキーパドル2号」 を使用しています。
このパドルは昨年の夏に購入して組み立てたもの。
そしてわたしが通常使っているのは、GHD やベンチャー、バイブロといった名のあるパドルだけ。
この「エレキーパドル2号」は、ただ作っただけで、使うことはありませんでした。
数カ月前にふとした事から使ってみたら。
キータッチは柔らかいし、それが妙に指に馴染む。
この日から「エレキーパドル2号」がメインパドルになりました。
GHD やバイブロのようにキーを叩いた時の「カチカチ」した感じはないし、確かに安っぽい。
ところがその安っぽい、いや柔らかいキータッチが・・・妙に気持ちイイのです!
高価なパドル。
確かにそれはイイものなんでしょう。
でも、このパドルに出合ってから、高価なパドルに興味がなくなったなぁ~
ブランドものじゃなくても素晴らしいパドルってたくさんあるんだってことを知ることできたし。
「エレキーパドル2号」に、ホント感謝してます。
ネットで5ミリ厚の鉄板を購入して貼り付け、そして少し大きめのゴム足を取り付けました。
これで重量感もありバッチリです。
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わたしはパドルを使用したエレキーによる交信が好きです。
それは、わたし自身もそうですが、交信相手にとってエレキーから送り出されるモールスが一番聞きやすくて精神的にも疲れないと思っているからです。
特にコンテストでは長時間に渡りモールスを打つ必要があるため、その疲労度を考慮しても、自動でモールスを送出できるエレキーは手放せません。
CQ を出している局に、自分のコールサインを一発でコピーして貰うためにも、エレキーによる機械的なモールスは効果的です。
高速でリポート交換が行われるコンテストでストレートキーの手打ちは極めて非効率であり、送信側と受信側の双方にとってメリットは少ないでしょう。
交信する相手側(受信者)に立てば、電鍵のようなストレートキーで叩いたモールスよりも、エレキーで作り出された規則正しいモールスは聞いていて疲れません。
(電鍵で綺麗なモールスが送信できる人もいますが。)
「味(?)があるモールスが送出できる電鍵が好きなんです・・・」とばかりに、
クセの強いモールスを一方的に送信されても、聞かせれている方はたまったものではありません。
クセがあっても頭の中で文字に変換できればまだいいのですが・・・
コピーできなければ会話は成立しませんからね。
そうなんです。
相手に伝わらなければ 「通信」 は成立しないということです。(重要)
わたしがそうなんですが、
「相手に伝わる」 ことで成立するのが「通信」だってことを、ついつい忘れてしまいます。
パドル使いのエレキー派も油断は禁物です。
ちょっとした気の緩みから、自分本位のワガママな打ち方になってしまい、
やがてはリズムは崩れ、符号と符号(文字と文字)が一つにつながり、訂正の嵐・・・
遂には聞きづらい(ヘボ)モールスへと一変してしまいます。。。
(自戒を込めて)
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自分の送信に酔わないように
-
送信は相手のためにすること(自分のためではない)
一人カラオケじゃなく、大きな会場(大勢の前)で歌っている・・・そんな感じかな?
CW だけじゃなけど、交信中に絶対に忘れちゃダメなこと。
それは「相手に伝わらなければ意味はない!」 ってこと。
この一言に尽きますから。
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昭和から和文をやってる OM ならば、そりゃ~どんなクセが強いモールスでも受信できるでしょう。
それも、聞くものを魅了する芸術的モールスから・・・ヘボなモールスまでね。
ところが、和文を始めたばかりの初心者には、まるで別世界のものとして聞こえ、何を送信しているのかまったくわからず・・・会話なんて成立しません。
あと、バグキーね。
和文愛好者の多くがバグキー使いというのも和文初心者の参入を阻む一つの要因だね。
まぁ~、バグキーの符号なんて、まず 1:3 じゃないから。。。
大抵の人は 1:3 の規則正しい符号で練習してるから・・・7メガ聞いたら尻込みしちゃう。
とはいってもねぇ~。
いつまでも、ベテラン OM のバグキーが受信できないのも・・・困りものなんだけど。。。
そんなクセの強いモールスを攻略するための、何か突破口を見つける必要があるよね。
じゃないといつまでたっても7メガデビューはできやしない。
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それで、クセの強いモールスの攻略法だけど。
いつまでもパソコンソフト(cw mania とか)ばかりに頼っちゃダメということ。
だってパソコンから流れるモールスは必ず 1:3 なんだから。
こんなキレイな符号ばかり聞いてたっていつまでたっても進歩なんて望めませんよ。
ハムの世界ではバグキー禁止で、エレキーだけが許されるんだったら、そりゃあパソコンを使った練習は効果あるけど。
ホントのところ、パソコンを使った練習は和文の世界では効果薄なんですよ。
クセが強いバグキー対策にはなんら効果はないですから。
本気で和文をやるなら。
パソコンや市販の CD はさっさと卒業して、7メガの実際の交信を聞いて耳を鍛えるしか道はないんじゃないかな。
いつまでも規則正しいモールスだけを聞いているようでは、あのベテラン OM が奏でる和文は理解できないでしょうね。
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和文人口を増やすためにどうすればいいの?
ベテランと初心者の技能的な違いをどう埋めればいいの?
バグキー使いの OM さんも、時々でいいので和文初心者のためにエレキーを使ってくれたらいいと思う。
和文のベテラン同士の「芸術的な符号」を聞くことは、モチベーションも上がってわたしは大好物なのですが、エレキーを使う OM さんが多くなれば、間違いなく和文人口は増加すると思いますよ。
わたしは、和文電信の敷居を下げるためにもエレキーを使った交信の普及は必要だと思っているので。
そして併せて、和文初心者は初心者なりに、クセの強いモールスを克服するためのストイックな練習も必要でしょうね。
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あと、送信の話を少し。
エレキーの CQ にはエレキーで、電鍵の CQ には電鍵で応えられる・・・そんな送信技能。
相手の CQ に応答する時に、CQ 側のキーに合わせて応答するくらいの技能は欲しいよね。
エレキーで CQ だしてるのに・・・クセの強いバグキーで応答されてもねぇ~
和文初心者は面食らってしまい、即 CL しちゃうでしょ。
電鍵やバグキーが専門だと仰るベテランさんにお願いがあります。
- ベテランの責任としてエレキーを傍らにおいてください。
- そして相手のキーに応じて切り替えて送信してください。
・・・そんな優しさがあれば、必ず和文人口は増加しますから。
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再開局して1年。
ベテランが奏でる和文交信を録音し続けています。
- ベテランの巧みな技を未来に残したい
- ベテランのモールスを分析してソフトウェアに実装したい
という・・・そんな、無謀で夢みたいな事を考えている・・・今日このごろです。