JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

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モールス符号は独学でマスターできる ── まずは A から E までの5文字から

当ブログでは、実践的なモールス符号を独習するための訓練用ページをいくつか用意しています。これらのページは、私自身が「こういう教材があれば覚えやすかったのに」と思いながら少しずつ作ってきたもので、特別な道具も費用もいりません。パソコンやスマホのブラウザさえあれば、今日この瞬間から練習を始められます。

プロの通信士を養成するところでは、まず最初に和文モールスを覚えるところから始まります。しかし、趣味のアマチュア無線の場合は少し事情が違います。実際の CW 運用でまずやり取りするのはコールサインですから、アルファベットと数字、つまり欧文のモールスから入っていくのが自然な流れになると思います。欧文も和文も、覚え方そのものに違いはありません。この修得法についてはこれまでにも何度もこのブログに書いてきましたが、大切なことなので改めて書いておきます。

正直に言うと私は、モールスの修得に気の利いた理屈や近道はない、と思っています。自転車の乗り方を覚えるのとまったく同じで、同じことを繰り返し練習するしかないです。頭で理解するものではなく、身体に、いえ、耳に覚え込ませるものだと私は思っています。だからこそ、このブログには実際のモールスを音として聞き取るためのページしか置いていません。理屈をこねる代わりに、とにかく継続して聞き続ける ── それだけが上達への唯一の道だと信じて、私は今もこれからも音を聞くページを掲載し続けていくつもりです。

CW 運用は、本当にもったいないくらいお得です

アマチュア無線のメーカー製リグには、エレキー機能やナローフィルタなど、CW 運用のための装備が最初から付いていてとても充実しています。せっかくこれだけの機能が備わっているのに、SSB や FM のフォーンだけで使うのは、正直とてももったいないと思います。宝の持ち腐れと言ってもいいかもしれません。

しかも、CW は SSB に比べて格段に交信の効率がいいです。弱い信号でも、混信の中でも、狭い帯域にぎゅっと信号を凝縮して相手に届けられます。同じ出力、同じアンテナでも、SSB では届かない相手と CW なら繋がる ── そんな場面は決して珍しくありません。だから私は、声を大にして CW の運用をお勧めしたいのです。

覚えていない方へ ── まずは1週間、欧文からはじめましょう

「まだ CW は覚えていない」という方に、ぜひ使っていただきたいのが当ブログの「モールスを短期習得する(欧文)」のページです。これは、モールス符号の欧文(アルファベット)と数字、記号を1週間で覚えることを目標にしたプロジェクトです。

ページを開いたら、まずは A から E までの5文字だけを聴いてください。あれこれ手を出さず、この5文字だけに集中します。最初は符号と符号の間隔を思いっきり広くとって、流れてきた符号のあとに、そのアルファベットを声に出して言ってみてください。「トン・ツーと聞こえたら、A」「ツー・トン・トン・トンと聞こえたら、B」──こんな具合に、音と文字を一対一で結びつけていきます。慣れてきたら、少しずつ符号と符号の間隔を狭くしていけば大丈夫です。

この A から E までの5文字を覚えて、ランダムに流れてきてもきちんと聞き取れるようになったら ── たった5文字、されど5文字です。この5文字を確実に自分のものにできたという事実は、想像以上に大きな自信になります。「あれ、自分にもモールスが聞き取れるじゃないか」と、まるですべての符号をマスターしたかのような気持ちになれるはずです。

そして、この5文字はぜひ自分だけで満足させず、家族や知人に披露してみてください。実際に流れる音を聞きながら、そのアルファベットを言い当てて、少し自慢してみるのです。きっと家族は「すごい!」と一緒になって驚いて喜んでくれるはずです。この小さな小さな承認欲求が満たされる瞬間こそが、実は最高の燃料になります。「もっと覚えたい」という気持ちに火がついて、残りの符号も一気に、そして実際の交信へと自然にステップアップしていけるはずです。

同じように練習できる Windows アプリの「Learning Morse」もありますので、併せてご活用ください。

次は「コールサイン受信」で、交信デビューへ

欧文と数字のモールスがある程度受信できるようになったら、今度は当ブログの「コールサイン受信練習」のページで、コールサインだけを聞き取る練習をしてみてください。

JA の場合、コールサインはおおむね6文字です。この文字のかたまりを、一文字ずつ拾うのではなく、リズムとして丸ごと感じ取る感覚を養っていきます。周波数を変えたり、少しずつ速度を上げたり、時には人工的ではありますが、オプションのノイズを加えたりしながら練習を続けてください。実際のバンドは静かで綺麗な音ばかりではありませんから、あえてノイズに慣れておくことが、本番でとても効いてきます。

こうした地道な練習を続けていると、あるときふと気づきます。相手局のコールサインさえ受信できれば、自分のコールサインとシグナルレポートはリグのメモリから送信できるため、いわゆる「599 BK」の交信なら、もう十分にデビューできるのです。

もちろん、この記念すべき第一歩は緊張しますし、うまくいかずに失敗に終わるかもしれません。でも、まったく気にする必要はありません。これは完璧さを求められるプロの通信ではないのです。アマチュア無線は趣味の世界です。うまくいかなければ、いつでも自分の都合でやめてしまってかまいません。この「気軽さ」こそが、次の一歩へとつながっていきます。そうこうしているうちに、気がつけばコンテストや DX ペディションとの交信を、当たり前のように楽しんでいる自分がいるはずです。

同じようにコールサインの受信練習ができる Windows アプリの「CW MANIA」もありますので、併せてご活用ください。

そして和文へ ── 国内のハムと自由に語り合うために

こうした運用を続けていると、やがて「このモールスを使って、国内のハムと自由におしゃべりがしてみたい」という気持ちが湧いてくるはずです。そうです、和文を修得する時期が来た、ということです。

和文モールスの修得にも、特別な方法はありません。欧文を修得したときとまったく同じ道を辿ればいいだけです。すでに欧文を覚えて交信を楽しんでいるなら、あなたは「自分に合った覚え方」をもう身につけています。ならば、あとは同じやり方を和文に当てはめるだけ ── これほど心強いことはありません。先にご紹介した「モールスを短期習得する(欧文)」と同じ作りの和文版、「モールスを短期習得する(和文)」のページをぜひご活用ください。

今、欧文で交信できているなら、あなたは必ず和文でも今の欧文と同じレベルに到達できます。断言します。

最後に、何度でも同じことを ──

もう何度も書いてきたことですが、大切なことなので最後にもう一度だけ繰り返させてください。

モールスの送受信を上達させるのに、気の利いた覚え方などはないと思っています。

とにかく、とにかく、実際の音を聞く。
とにかく、とにかく、聞き続ける。

私が言えることは、結局これに尽きます。かく言う私自身も、この単純な一つのことを信じて、聞くことだけを毎日修行のように続けています。