最近、電子工作の参考資料として一冊の本を購入しました。
日経 BP から発売された 「ラズパイ工作パーツ大全950種」 です。

タイトルに「ラズパイ工作」とありますが、内容を見てみると Raspberry Pi だけでなく、Arduino、ESP32、Raspberry Pi Pico などのマイコン工作にも幅広く活用できる、かなり実用的なパーツ資料集という印象です。
マイコン工作で悩む「パーツ選び」
時々、Arduino や ESP32、Raspberry Pi Pico についての記事を書いてきましたが、これらのマイコンは基板単体ではできることが限られています。
実際に電子工作として形にするには、
- 温度や湿度を測る
- 明るさを検出する
- 人の動きを検知する
- 電圧や電流を測る
- モーターやリレーを動かす
- 小型ディスプレイに情報を表示する
- 無線通信や音声処理を行う
といったように、何らかのセンサーや入出力パーツを接続して、はじめて「工作らしい工作」になります。
ところが、この パーツ選びが意外と難しい のです。
温度センサーひとつ取っても、アナログ出力のもの、I2C 接続のもの、1-Wire 接続のもの、防水タイプ、高精度タイプなど、実にさまざまな種類があります。
初心者の方であれば、
「そもそも、どんなセンサーがあるのか分からない」
「自分の作りたいものには、どのパーツを使えばいいのか分からない」
というところで迷ってしまうことも多いと思います。これは、ある程度電子工作に慣れた人でも同じで、いざ何かを作ろうとすると、部品選びで手が止まることが少なくありません。
950種類のパーツを一覧できる便利な一冊
本書は、国内で入手しやすい電子パーツを 950種類 収録しています。
しかも、ただパーツ名を並べているだけではなく、54の分野に分類した上で、機能、特徴、購入方法、価格などが一覧表として整理されている のがポイントです。
電子工作をしていると、
- 「距離を測るならどんなセンサーがあるのか」
- 「明るさを検出するならどのモジュールが使いやすいのか」
- 「小型ディスプレイにはどんな種類があるのか」
といった調べ方をすることが多いのですが、そんなときに辞書のようにパラパラと参照できるのはとても便利です。
ネットで検索すれば情報はいくらでも出てきますが、検索結果を一つひとつ確認していくのは案外時間がかかります。販売ページや個別記事に飛ぶことが多いため、全体像をつかみにくいのも難点です。
その点、本書のように分野別にまとまっていると、
「今はこんな部品があるのか」
「これなら自分の工作にも使えそうだ」
という発見があります。
作例や基礎解説も収録
本書はパーツ一覧だけでなく、電子工作の基本や作例も収録されています。
- 第1章 … デジタル入出力、アナログ入力、I2C など、電子工作でよく使う基本的な仕組みを解説
- 第2章(メイン)… 54分野950種のパーツ大全
- 第3章 … Raspberry Pi や Pico を使った作例集
- 第4章 … 実験して分かる電子パーツの動かし方
- 第5章 … Raspberry Pi シリーズの選び方、OS の準備、はんだ付け入門
第3章の作例には、
- 暗くなったら明かりを点灯する
- BOX ティッシュの残量チェッカー
- Pico で電波時計を作ってみよう
といった、実際に試してみたくなるテーマが並んでいます。単なるカタログではなく、「この部品を使うと、こんな工作ができる」というイメージを持ちやすい構成 になっているのは良いところです。
これからラズパイ工作を始めたい方にも、ひと通りの基礎が一冊で押さえられる内容だと思います。
Raspberry Pi と Pico の使い分けにも参考になる
私自身、電子工作では ESP32 や Arduino 系のマイコンを使うことが多いのですが、Raspberry Pi Pico も非常に魅力的なマイコンボードです。
一方で、通常の Raspberry Pi と Pico は、同じ「ラズパイ」という名前が付いていても、性格がかなり違います。
- Raspberry Pi … 小型の Linux パソコンに近い存在。カメラ、画像処理、ネットワーク処理、サーバー的な用途に向く
- Raspberry Pi Pico … Arduino や ESP32 に近いマイコンボード。センサーの読み取りや LED・モーターの制御といった用途に向く
本書ではこの違いや使い分けについても触れられているので、これからどちらを使って工作を始めるか迷っている方にも役立つはずです。
あえて紙の本を選びました
ここ数年、私は電子書籍を購入することが多くなりました。場所を取らず、検索もでき、iPad やパソコンですぐ読めるので便利だからです。
ただ、今回の本については、あえて紙版を選びました。
理由は単純で、この本は最初から通読するというより、工作の途中で必要なときに開く 「辞書」や「部品カタログ」のように使う本 だと感じたからです。
工作机の横に置いておいて、
「何か面白いセンサーはないかな」
「この用途に使えそうなモジュールはないかな」
とパラパラめくるには、やはり紙の本が向いています。電子工作のパーツは写真や表を見ながら探すことが多いので、紙面で一覧できるありがたみは思った以上に大きいです。
アマチュア無線の工作にも活用できます
アマチュア無線の世界でも、マイコンとセンサーの組み合わせは、さまざまな場面で活用できます。
たとえば、
- アンテナ切替器の制御
- SWR、電圧、電流のモニター
- ローテーターの制御
- 温度監視
- 電源装置の状態表示
- CW 練習機や測定器の製作
- リグ周辺機器の自動制御
など、アイデア次第で用途は広がります。
私もこれまで、ESP32 や M5Stack、Arduino を使って無線関係の小物や測定器をいろいろ試してきましたが、こうした工作では 「何を作るか」と同じくらい、「どのパーツを使うか」が重要 になります。
その意味で、本書は電子工作のアイデア出しにも使えそうです。自分では思いつかなかったセンサーやモジュールに出会うことで、次の工作テーマが見つかるかもしれません。
まとめ
「ラズパイ工作パーツ大全950種」は、電子工作で使えるパーツを広く見渡せる便利な資料集です。
タイトルこそ「ラズパイ工作」ですが、掲載されているセンサーやモジュールの多くは、Arduino、ESP32、Raspberry Pi Pico などでも応用できるものばかりです。
電子工作を始めたばかりの方には「世の中にはこんなにたくさんのパーツがあるのか」という発見があり、ある程度慣れた方にとっても、部品選びやアイデア出しの参考になる一冊だと思います。
ネット検索も便利ですが、こうした一覧できる紙の資料 は、やはり手元に一冊あると心強いものです。
しばらくは工作机の横に置いて、次に作るものを考えながらパラパラと眺めて楽しもうと思います。