再製作を依頼していた基板も届き、とりあえずのハンダ付けと組み立て、動作確認を行いました。
組み立て
ハンダ付けする箇所は多いですが、パーツ自体は少ないので、結構サクッと組み立ては終了しました。
前回基板で失敗した LED 部分のパターンだけはテスターで再チェックしましたが、今度は大丈夫のようです。
本製作で使うパーツ類のすべてを、あらかじめパーツケースから探して揃えておきます。
キットものだと、この状態から始まるんですが・・・
まぁ、パーツを集めるところも、製作の楽しいところということで、ヨシとしましょう。
この製作では、入手困難なパーツはないと思います。
多少割高になりますが、Amazon と秋月電子ですべて揃うはずです。
マイコン内蔵 LED の取付け方向です。
ちなみに、電源投入時に点灯する D1 の取付け方向は、+5V 側がアノード側となります。
ピンヘッダの高さの関係もあり、Mega2560 pro はソケットを使わずに、基板への直付けとしました。
(Mega2560 pro のピンすべてを基板へハンダ付けする必要があります。)
2.4" TFT LCD を取り付けます。
スペーサーを取り付けて、完成です。
動作確認前の準備作業
本基板の構成に合わせて、スケッチファイルの一部を修正します。
- GitHub の database.txt を microSD にコピーし、TFT LCD シールドの SD カードスロットに挿入します。ちなみに、私は随分前に使っていた 2GB の microSD(FAT)を使いましたが、試しに挿入してみた 32GB(FAT32)のものもしっかり動作しました。
-
スケッチの修正
マイコン内蔵 LED の型番を修正
ライブラリ FastLED.h に今回使ったマイコン内蔵 LED の型番が定義されているので、WS2812B から PL9823 へ修正しました。
FastLED.h
マイコン内蔵 LED の輝度を修正
当 IC Tester の開発者は、ATmega2560 ボードに IC Tester シールドを作成して実装しており、2個のマイコン内蔵 LED は TFT LCD ユニットの下に隠れるように設計されています。よって、基板から漏れた明かりでチェック状態を把握するデフォルトの輝度では、LED むき出しの本基板では直視できない程に明るいため、その輝度を 1 /10 に修正しました。
6行目 200 → 20 に修正
7行目 WS2812 → PL9823 に修正
SD スロットのピン配置を修正
本基板のピン配置は ICSP が使えるように配置(Arduino CW Keyer 基板の名残り)しているため、これに合わせてピン配置を修正しました。
6行目 if (!SD.begin(10, MOSI, MISO, SCK)) { に修正
動作確認
動作確認の例として、ここでは TTL ロジック IC の 7400 を使っていきます。
7400
Quad 2-input NAND gates
電源は 006P で供給しました。
起動時の画面はこんな感じで、LED は水色で点灯します。
ロジック IC のチェックは、 "Auto" と "Manual" の2通りから選択可能です。
選択は指のタッチでも大丈夫ですが、タッチペンの方が誤入力もなくスムーズです。
基板の構成上、ZIF ソケットの向きを 180° 回転して取り付けているので、IC の1番ピンは写真のように右下になるように挿入する必要があります。
IC 7400 挿入 → Auto 選択 → 14 Pins 選択
この写真は IC のロジックをチェックしている画面ですが、このチェック時間が結構長くて、ちょっとイラっとくるくらいです。
挿入した IC のロジックと互換がある IC が検索されると LED は赤点灯に変化します。
ZIF ソケットに挿入している IC は 7400 なんですが、画面には IC-7438 と表示されています。これは 7438 のロジックが 7400 と互換があるからで、このまま画面をタッチすることで互換 IC を切り替えて表示してくれます。
ちなみに、7400 では、6つの互換 IC 名が表示されました。
以下、その様子です。
IC-7437
IC-7426
IC-74132
IC-7403
IC-7400
6つ目の最後でようやく ZIP ソケットに挿入した 7400 が表示され、ロジックは正常であることが確認できました。
続いて、Manual で 7400 をチェックしてみました。
IC 7400 挿入 → Manual 選択 → ENTER 押下 → 7400 と入力して OK 押下
タッチペンで 7400 と入力します。
IC の品番をそのまま数字で入力してチェックするので、Auto と違って 7400 だけが表示されました。
ということで、IC の刻印が擦れて読みずらいとか、何らかの事情で刻印が削られているとか、IC の素性が分からないとか、そんなことでもない限りは、数字直接入力の Manual の方が使いやすいです。
試しに 7400 を挿入したまま、7404 と誤った数字を入力してチェックしてみました。
画面上の IC 名は赤に、LED は緑色に点灯しました。
この状態が、ロジックチェック NG の画面ということになります。
それと、ZIF ソケットに IC 未挿入のままチェックした場合は、以下のようになります。
NO MATCH FOUND と赤字で表示され、LED はチェック NG の時と同じ緑色で点灯しました。
最後に SOP パッケージなロジック IC についても、DIP -SOP 変換アダプタを使ってチェックしてみました。
まぁ、当たり前ですけど、しっかりチェックができました。
database.txt の記述フォーマット
新たなロジック IC を database.txt に追加するためのフォーマットについて、txt に記述されているデータとウェブサイトに掲載されている情報から調査してみました。
例、ロジック IC の 7400 のフォーマット
試験項目(1~n)は、ロジック回路の真理値に基づく各ピンの動作を、以下のルールで記述します。
0 or 1 | 入力 |
L or H | 出力 |
C | クロック(10ms 生成) |
V | VCC |
G | GND |
X | 不定 |
7400 の Data Sheet
iPad App : Electronic TB Pro
試験項目(1 ~ n)の、具体的な記述方法
00H00HGH00H00V
10H10HGH10H10V
01H01HGH01H01V
11L11LGL11H11V
(参考)
PowerShell findstr コマンドで、先頭が $ で始まる行を抽出してみました。
今の database.txt には、以下の 178 種の IC が登録されていることが判明しました。
$4000
$4001
$4002
$4009
$4010
$40106
$4011
$4012
$4013
$4015
$4016
$40161
$40162
$4017
$40174
$40175
$4018
$4019
$40192
$40193
$4020
$4022
$4023
$4024
$4025
$4027
$4028
$4029
$4030
$4031
$4040
$4041
$4042
$4043
$4044
$4048
$4049
$4051
$4053
$4066
$4068
$4069
$4070
$4071
$4072
$4073
$4075
$4076
$4077
$4078
$4081
$4082
$4093
$4094
$4098
$4503
$4510
$4511
$4512
$4518
$4519
$4520
$4529
$4532
$4543
$4572
$7400
$7401
$7402
$7403
$7404
$7405
$7406
$7407
$7408
$7409
$7410
$74107
$74109
$7411
$74112
$74113
$7412
$74123
$74125
$74126
$7413
$74132
$74133
$74136
$74137
$74138
$74139
$7414
$74140
$74145
$74147
$74148
$7415
$74151
$74153
$74157
$74158
$7416
$74160
$74161
$74162
$74163
$74164
$74165
$74166
$7417
$74173
$74174
$74175
$7418
$74182
$74190
$74191
$74192
$74193
$74194
$74195
$7420
$7421
$7422
$74237
$74242
$74243
$7425
$74251
$74253
$74257
$74258
$74259
$7426
$74260
$74266
$7427
$7428
$74280
$74283
$74292
$74293
$74294
$74298
$7430
$7432
$74365
$74366
$74367
$74368
$7437
$74375
$7438
$74386
$74390
$74393
$7440
$7442
$7446
$7447
$7450
$7451
$7455
$7458
$74589
$74595
$74597
$7460
$7461
$7462
$7465
$7472
$7474
$7475
$7485
$7486
最後に
基板製作から組み立て、そして動作確認と・・・駆け足で進めていきました。
途中基板の製作をミスったりと、アクシデントはありましたが、最終的には、まぁ期待通りの動作を確認することができて、ホッとしているところです。
当初、ロジックのテスト状況をマイコン内蔵の LED 2個で様々な色の電飾で教えてくれるものと考え基板設計を行ったのですが、実際に製作を進めるうちに、これら2個の LED は基板の下から光を灯すために必要な光量を得るためのものだったことを知り、LED むき出しの本基板では1個で十分だったと・・・毎度のことではありますが、もっと事前に確認しておけばよかったと反省しています。
次回、新たに基板を作ることがあるとすれば、電源が入った時に点灯する 3mm LED の廃止と、マイコン内蔵 LED を2個から1個にすること、それとデフォルトのスケッチで動作するようにピン配置を見直すなど、少なくともこれらのことを盛り込んでバージョンアップしたいと考えています。
ところで、この基板を欲しい人っているんだろうか・・・
今どきロジック IC を多用する人ってそんないないような気がするんだけど。。。
基板頒布