JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

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ARDUINO CW KEYER を試してみた ~その33~

現在、Fusion PCB で基板3枚が1ドルで作れるキャンペーンをやっているそうです。



こんなに安いなら、何か作ろうかと・・・思いつくのが Arduino CW Keyer シールド基板です。

早速ガーバーデータを準備して発注手続きを進めたのですが、いざ確認してみると、送料がなんと1,700円もかかることが判明!

結果的に、総額ではかなり高くなってしまいました。この価格なら、通常の「5枚で7.9ドル」のサービスを利用したほうが送料込みでお得です。

こういった「基板3枚1ドル」のサービス、実際にはどんなユーザー層をターゲットにしているのでしょうか?安さに惹かれて試してみたくなる一方で、送料の高さにがっかりしてしまいます。


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それで今回発注した基板のハード構成ですが、

  • Arduino Uno で使えるシールドとする(ATmega も使えるように)
  • メモリ4個
  • 半固定 VR でスピード調整
  • PS/2 キーボード
  • 無線機2台
  • LCD 表示
  • CW Decoder

と、まぁザックリこんな感じ。

基板上に LCD(1602)が付けられるようにしたので、8cm×8cm と少し大きめになりました。(9/17 発注済み)

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PS/2 接続で動作しなかったキーボードがあったため、「USB ホストシールドを使えば上手く動作するのではないか」と考え、手元にあった4種類の USB ホストシールドで試してみました。しかし、残念ながら結果は PS/2 接続と同じでした。

結論として、PS/2 で動作するキーボードは USB でも問題なく動作しますが、PS/2 で動作しないキーボードは USB でも動作しないことがわかりました。

そのため、今回は従来通りPS/2端子のみを実装することにしました。

キーボードの出力がどのようになっているのか気になり、波形を観測してみました。

正常に動作するキーボードでは、キーを押すたびにクロック信号とデータ信号が出力されます。しかし、不調なものでは、何も信号が出力されませんでした。

特に、最初の接続が確立できないキーボードでは、その後完全に反応しなくなるようです。今回のように PS/2 で利用する場合、キーを押したタイミングで一方的に信号を送信するタイプのキーボードでないと動作しないことが分かりました。

そこで考えたのが、以下のような仕組みです。
USB → USB to PS/2 信号変換 → PS/2

このようなアダプタで、「キーを押すと信号が出力される」仕組みを作り、中継させれば上手く動作するのではないかと思います。試してみる価値がありそうです。


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自分でPCBを発注するときの悩み

PCB(プリント基板)を設計して発注する際、私が毎回「これが一番厄介だな」と思うのが、フットプリントに関する問題です。

回路図を完成させ、「さて、これから基板の配線を引こう」と意気込んだタイミングで、手持ちのパーツに合うフットプリントが用意されていないことに気づく、ということがよくあります。

特に困るのが、インターフェース用の部品です。

コンデンサ(C)や抵抗(R)、IC チップのような一般的な部品は、ライブラリにたくさん登録されています。それに対して、ジャックやコネクタといった部品の種類はかなり少なく、手持ちのパーツにぴったり合うものが見つからないのはよくある話です。

もちろん、インターネットで徹底的に検索しますが、必要なフットプリントが見つかることはほとんどありません。

「トランジスタ技術SPECIAL No.142」の付録 DVD に、秋月電子の部品が 800 種類も収録されていると聞き、大いに期待しました。ですが、今回使いたかった PS/2(mini DIN6)やイヤフォンジャックは残念ながら収録されていませんでした。

www.jh1lhv.tokyo

 

何かを作るとき、インターフェース系のパーツは必ずと言っていいほど使いますよね。
そんなとき、パーツを調達する方法として「まずは秋月電子をチェックする」という方も多いのではないでしょうか。

もし、売れ筋パーツのフットプリントがダウンロードできるようなサービスがあったら、とても便利だと思いませんか?そうなれば、使うパーツは秋月電子で取り扱いのあるものに統一する、という考え方も自然にできるようになりますよね。

たとえば、KiCad をインストールするだけで、ライブラリのことを全く気にせずに使える環境が整うとしたら、どれだけ助かることでしょう。そんな日が早く来てほしいものです。

ということで、今回はいくつかのフットプリントを作成しました!

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(2018/11/05) PS/2 用にフットプリント修正

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データシートを片手に、実際のパーツを確認しながら、寸法を絶対に間違えないように注意する。正直、この作業は手間がかかるうえに神経も使うので、できることなら避けたいと感じる人も多いと思います。

でも、もし寸法を少しでも間違えてしまったら・・・せっかく作った基板がそのままゴミ箱行きなんてこともあり得ます。

今回の基板が無事に完成することを祈るばかりです。