秋葉原の「aitendo」でも購入可能な中華製ハンディ機「UV-5R」。
私は AliExpress で 2,000 円で手に入れました。
UV-5R で局免(局免許)を取得するには、まず V/UHF のアマチュアバンド以外でオフバンド送信しないよう設定することが必須となります。
デフォルトでは 136~174MHz、400~480MHz の範囲で送信できてしまうため、これを禁止設定にするのは当然の手順です。実際の設定はパソコンと接続し、汎用のメモリー管理ソフト「CHIRP」や「UV_5R_VIP」を使ってメモリを書き換えるだけなので簡単です。
UV-5R にメモリを書き込む際は「Baofeng プログラミングケーブル」が必要ですが、Amazon などから入手できます。
とりあえず、オフバンドをしないよう設定しておきました。
ただし、アマチュア無線を始める際に最初に気を付けるべき点は、オフバンド送信を徹底的に防ぐことだと言われています。実際に免許を取得した方々のブログによると、単にオフバンドを禁止する設定を施すだけでは不十分な場合があり、以下のような追加措置をとる必要があるケースもあるようです。
- 無線機をパソコンに接続する端子部分を接着剤(ボンド)で封印する。
- 無線機内部にアクセスし、シリアル通信を不可能にするため基板の一部を切断する。
これらの対策を行った上で、局免許申請料 3,000 円を支払い、実際の免許が届くまでに約 3 ヶ月程度待つ必要があります。その間、UV-5R 本体を提出してスプリアス測定を行うわけでもないのに、なぜそれほど時間がかかるのかは疑問が残るところです。
さらに、国内メーカーのアマチュア無線機でも、ダイオードを切断すれば簡単にオフバンド化できるケースがあることを考えると、これほどの改造が本当に求められているのか疑問を感じる方は少なくありません。アマチュア無線家はルールを順守しながら楽しむことを大切にしており、無意味な改造を好まないのが一般的です。
とはいえ、端子を接着剤で封じ込めたり、パソコンとのシリアル通信を不可能にするような手順が厳密に必要なのかどうかは明確ではありません。免許をしっかり取得し、正しく運用しているアマチュア無線家としては、もう少し信用してもらいたいという思いもあるところです。
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アマチュア無線機の輸入や販売を巡っては、いくつか気になる点があります。特に、国内で販売される製品が初めから日本の規制に合わせて改修済みであれば、利用者にとっては格段に便利ではないでしょうか。たとえば、UV-5R のような人気機種は低価格であることから多くの方に利用されていますが、購入後の手続きには相応の手間がかかるのが現状です。
もし、購入時に渡されるレシートを用いて申請できる仕組みがあれば、より簡単に手続きが済むのにと思います。現在は数か月を要する場合もあり、この点は改善の余地があるのではないでしょうか。
また、マイコンの Wi-Fi や外国人観光客向けの Wi-Fi スマートフォンなどは期間限定で使用を許可するなど、無線の分野にはさまざまな興味深いルールが存在します。これらを踏まえると、無線機の輸入や使用に関する規定もより合理的に整備することが可能ではないかと感じます。
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UV-5R は本来、100 MHz から 999 MHz までの広い範囲で FM の受信が可能です。しかし、国内で使用するために行う改造では、この広帯域受信機能が制限されてしまい、結果としてアマチュア無線のバンド以外は受信できなくなります(ただし FM ラジオは受信可能です)。ハムバンドだけを利用する分には便利になる一方、その他の FM 放送を聴取したい場合は注意が必要です。
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こうした背景から、私は UV-5R をアマチュア無線で運用することをやめ、受信専用として使うことを検討しています。具体的には PTT や CALL ボタンを無効化し、受信のみを行うよう設定しておきたいと考えています。
というのも、V/UHF 帯での交信にはすでに FT-857 を所持しており、申請手続きを済ませて UV-5R の免許が下りる頃には、別のことに興味が移っている可能性が高いからです。その場合、UV-5R は結局使わずに放置してしまうことになりかねません。