中華パーツの終端抵抗です。(100W、0-3.0GHz、RFP-1109)
これ一個で 100W の終端抵抗(50Ω)とのこと。
AliExpress で10個セットが千円ちょっとで購入できます。
放熱を考えながら直並列すれば、数百ワットのダミーロードだって作れそうです。
基本的なスペックは、
- 周波数:0~3.0GHz
- 耐電力:100W
- 抵抗値:50Ω±5%
- 温度範囲:-55+~155℃
- 取付フランジ寸法:20mm×6mm
- 重量: 約6g
- 材質:ベリリウム酸化物
薄膜抵抗とフランジとの間に有毒の酸化ベリリウムセラミックを使ってます。
このため、取り扱いには注意が必要です。
拡大するとこんな感じのパーツです。
このシルバーピンですが・・・凄く弱くて・・・少しグリグリしたらぽろっともげそうです。
それにどこかから取り外してきたような、そんな感じで・・・中古っぽいし。。。
結構しっかりしたフランジ(ラジエーター)が付いています。多少は放熱効果も期待できる?
とりあえず、抵抗値と VSWR を調べてみました。
10個全てが 50Ω±1Ω に収まってました。
前に作ったアンテナアナライザで VSWR を調べてみました。
これも 30MHz までになりますが、10 個全てが SWR = 1.0 に収まってました。
とっても手抜きでいい加減な、ダミーロードを作ってみました。
前にもダミーロードは作っているので。。。(参考までに)
必要な材料はこれだけ。
芯線と頭の部分のハンダ処理を終了した後に、こんな感じに被覆を剥いておきます。
終端抵抗の長さ分だけシールド被覆を残して、あとはカットします。
シールド被覆はハンダでメッキしておきます。
シールド被覆の部分に終端抵抗を載せてしっかり固定します。
わたしはラジペンと輪ゴムです。
終端抵抗を載せる前にラジエーターの穴付近に軽く予備ハンダをしておきます。
・・・でないと、シールド被覆にフランジをハンダする時に苦労しちゃいます。
あとは 2mm だけ白い部分を残して芯線だけにします。
芯線にヒシチューブを通してシルバーピンにハンダ付けします。
同軸ケーブルより若干太めのヒシチューブを被せてホットエアガンで仕上げます。
一応、抵抗値をチェック。ピッタリ 50Ω ですね。
一緒に VSWR も測定しておきます。
なにが手抜きでいい加減か?・・・
それは、まったく放熱することを考えてないからです。。。
ということで、放熱に必要なヒートシンクって?
終端抵抗が発する熱を外部に伝えるためにはどのくらいのヒートシンクが必要なのでしょうか。
ヒートシンクに必要な熱抵抗を計算して・・・少し考えてみました。
あくまでもパーツを保護するためだけに必要な最低の計算になりますが。。。
- 最大発熱量:100W
- 最大周囲温度:50℃
- 終端抵抗の最大定格:155℃
この情報から、熱抵抗 θ を計算します。
θ = ΔT/Q = 155-50/100 ≒ 1.0 [℃/W]
(ΔT:温度差、Q:発熱量)
ということで、求められるヒートシンクは 1.0 [℃/W] 以下となります。
そして本来ならここから終端抵抗の土台になるフランジの熱抵抗を引くのですが、
これ以上の計算は面倒なので・・・ここはこのまま余裕を見るということで。。。
最初に計算した値のまま 1.0 [℃/W]以下ということで次に進むことに。
で、取り扱ってないと思いながらも、
秋月電子で 1.0 [℃/W] 以下のヒートシンクを探してみました。
秋月電子で扱っている一番大きなヒートシンクでも 5.6 [℃/W] です。
1.0 [℃/W]以下の熱抵抗値を持つヒートシンクって・・・どんだけ大きいんだ。
まぁ、これでも瞬間的な 100W なら耐えると思いますが。。。
それでこの 5.6 [℃/W] の熱抵抗値から逆に発熱量を求めると 18.7W なんだけど、
仮にこのパワーで連続で運用したら・・・今度はとてもじゃないけど熱くて素手じゃ持てないし。。。
100W で使うならもっとしっかりしたヒートシンクを使って確実に放熱させる必要があるってことです。
例えば、これくらいのやつ。
ところで今回購入した終端抵抗だけど、
キチンと放熱できたとしてもスペック的に精々 2、30W が限界じゃないかな。
まぁ、今回作成したダミーロードは QRP 用ということで。。。
・・・で、最後にホントのこと言うと、
最初からこんな小さなパーツひとつで 100W なんて耐えられないと思ってるし。。。
それに何より一番大事なことなんだけど・・・素子に人体に有害なベリリウムを使っているからね。。。
これ、お薦めできないかも!