Quansheng UV-K5、K6 シリーズの無線機を、パソコンで遠隔操作する方法が YouTube で紹介されていました。それを見て興味を持ったので、実際に試してみることにしました。
この遠隔操作が可能になるソフトウェア(Quansheng Dock)は nicsure 氏が開発したもので、Windows 環境で動作します。GitHub からソフトウェアをダウンロードすることで、手軽に使用することができます。
リモートコントールの Quansheng Dock には、簡単操作でチャンネル管理ができるチャンネルエディタが搭載されており、ユーザーはコンピューターから様々な周波数を操作できます。また、スペクトラムアナライザーとウォーターフォール表示があり、コンピューター上で視覚的に受信信号をモニタリングすることができます。
アプリ、ファームウェアのダウンロード先
「QuanshengDock.exe(1/13 現在、V 0.28.1q)」というリモートコントロール用のアプリと、そのファームウェアは、以下の GitHub からダウンロードできます。
github.com
Remote Control Application
Quansheng Dock を利用するには、まず「quanshengdock.zip」というファイルをダウンロードしてください。ダウンロードが完了したら、ファイルを適当なフォルダに解凍します。その後、解凍したフォルダ内にある quanshengdock.exe を実行すると、Quansheng Dock が起動します。
Firmware
Quansheng Dock を使うためには、UV-K5 や K6 の無線機に専用のファームウェアをインストールする必要があります。まず、「quansheng-dock-fw」というファイルをダウンロードして、無線機のファームウェアを更新してください。
送信禁止について
このファームウェアは、既に設定されている送信制限を解除する可能性があるため、広帯域受信機として使用する際には特に注意が必要です。私は以前、RE3CON/UV-Kitchen のファームウェアに直接パッチを適用し、全バンドでの送信ができないように設定して今現在使っています。この設定には、広帯域化、20KHz ステップの追加、そして全バンド送信禁止という機能が含まれています。一度このファームウェアを書き込むことで、新しいリモート用のファームウェアをインストールしても、全バンドでの送信禁止の設定は維持されます。このバイナリを置いておきますので、ご利用は自己責任ということで、よろしくお願いします。
download: K6_V3.00.15-MODDED_RXONLY_Step20KHz_JH1LHV.bin
プログラミングケーブルの試作
パソコンとブログラミングケーブルを接続して、QuanshengDock.exe を起動し、そして通信ポートを設定すれば、UV-K5、K6 の画面表示と同じものがパソコンにも表示されます。ただし、このケーブルの接続でスピーカからの出力は切断されるため、このままでは無線機からの音を聞くことはできません。また併せてマイク側も切断されるため送信することもできません。しかし、この無線機は広帯域受信機として使用することを前提としているので、音だけ聞こえるようにすれば大丈夫ですが、それにはちょっとした工作が必要になります。
GitHub の公式説明を見ると、2.5mm と 3.5mm のステレオプラグを使った分岐アダプタの作り方が載っています。このアダプタは 3.5mm 側に 47KΩ の抵抗を介してオーディオ側と接続しています。
しかし、私はその方法での製作をやめることに決めました。送信機能が不要ということもあり、接続する工数も少ないため、シリアルモジュールを使って新たにケーブルを作成することにしました。そこで、本日はバラックでの組立作業を行い、Quansheng Dock を起動した際に受信音がどのように聞こえるかを実験してみました。
今回使用したスピーカーは、以前 uSDX 用に購入した持ち運び便利なポータブルスピーカーです。
Quansheng Dock 用のケーブルは、簡単に作ることができます。このケーブルは受信専用なので、送信に関する接続は必要ありません。必要なのは、シリアルモジュールと 2.5mm および 3.5mm のステレオプラグ、それに 3.5mm のステレオジャック、さらに少量の線材だけです。これらを使って、簡単に製作することができます。
付属のアンテナを利用して、FM 放送を試しに受信してみたところ、クリアな音質で聞くことができました。さらに、アンプが内蔵された外部スピーカーを使用しているため、音量も十分です。
また、事前にファームウェアで全バンド送信禁止にしているので、そのため、万が一 PTT ボタンを押してしまっても、電波を発射する心配はありません。
ということで、動作確認も無事に終了したので、後日しっかりとしたケーブルに作り直す予定です。
余談
ESP32 などのマイコンを活用して、無線機のコントロール情報や受信音を Wi-Fi を通じて送信するアダプタを自作すると、UV-K5 や K6 などの無線機を遠隔操作できるようになります。さらに、インターネットを利用すれば、受信環境の良い場所に UV-K5 や K6 を設置し、遠隔でさまざまな受信を楽しむことが可能です。こういう装置があれば、場所を選ばずに受信できる幅が広がるでしょう。
無線機側のアダプタA、パソコン側のアダプタB、作ってみようかなぁ。