JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

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中華 GM328A (Transister Tester) を買ってみた

GM328A は、抵抗やコンデンサの値から、トランジスタや FET の動作チェック、加えて信号発生器や周波数カウンタの機能まで付いている、そんな万能テスターです。

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AliExpress で "2021 バージョン" と書いてあったので、それだけで何も考えずにポチってしまいました。
中華なら @1,300円程度ですが、Amazon では倍くらいで売っているみたいです。
 

仕様

ディスプレイ:160 × 128 full color LCD
必要電源:DC 6.8 ~ 12V
消費電流:約 30mA
抵抗測定:最大 50MΩ
抵抗分解能:0.01Ω
容量測定:25pF 〜 100mF
容量分解能:1pF
DC 電圧測定:最大50V
画面サイズ:3.7 × 3cm
PCB サイズ:7.8 × 6.2cm
製品重量:66g

ユーザーマニュアル (dropbox)  

着荷

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注文から到着まで2週間程度と早かったです。
梱包材として結構厚めの発泡スチロールを使っているので、これだったら配送途中の手荒な扱いにも機器が損傷を受けずに配達されてくると思います。

さらに、テスター本体は帯電防止が施されたビニル袋に入っていて、中華ショップから買ったとは思えないほどの丁寧さで驚きました。また、着荷時の外観チェックでは、中華あるあるの基板裏面のフラックスの残骸もなくキレイで、こういうところもまったく中華らしさを感じさせてくれない、そんな一品です。

ケース製作 (3D プリンタ使用)

造形に必要な STL データは、Thingiverse 登録の operrr 氏の "CASE for ESR METER GM328A" を使わせていただきました。

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FLASHFORGE の Adventurer3 を使い、ノズルは 0.4mm、PLA(MODERA)で造形しました。

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ゴム足(タカチ B11-5)を取り付け。

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写真下の4個のパーツは取り付けませんでした。
それと、PLA がグレーなんで・・・やっぱり塗装した方がよかったかも。

各端子の役割(外観)

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抵抗、コンデンサ、ダイオードなど、リード2本のパーツは TP1 とTP2 に接続し、トランジスタや FET のようなリード3本のパーツは TP1、TP2、TP3 に接続します。

ザックリと使い方は、

  1. 電源ジャックに、9V から 12V の電源を接続(006P の 9V がお手軽かな)
  2. ファンクション SW を押して電源投入
  3. ファンクション SW を長押ししてメニューを表示
  4. 測定項目を選択

 と、基本的にはこれだけで測定できます。

測定上の注意点としては、コンデンサの測定では必ず放電させてから行うことが必要で、テスターを破損させることがあるので注意してください。
  

校正(キャリブレーション)

まずは、校正からです。

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校正するには、2本のジャンパ線と、100nF から 20μF の電解コンデンサ以外のコンデンサが必要です。
私は、マニュアルに書いてある通りに 0.22μF(224)のフィルムコンデンサを使いました。

  1. 3つのテストポートにジャンパ線を接続(TP1 と TP2、TP2 と TP3 をショート)
  2. ファンクション SW 押下
  3. 項番2から、更に2秒以内にファンクション SW を押下
  4. 画面に "isolate Probes!" 表示後、1のジャンパ線を外す
  5. TP1 と TP3 に 0.22μF のフィルムコンデンサを接続
  6. 画面に "Test End" の表示でキャリブレーション終了

このセルフテストは、一番最初に電源を入れた時の方法ですが、ファンクション SW によるメニューの "Selftest" からも行えます。

以下、"Selftest" による写真を掲載します。

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TP1 - TP2、TP2 - TP3 をショートします。

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"isolate Probes!" の表示で、ジャンパ線を取り外します。

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この画面になったら、0.22μF のコンデンサを TP1 - TP3 に接続します。

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"Test End" の表示で、校正は終了です。


実際の測定  

この中華テスター GM328A と DE-5000 で比較しながら、幾つかのパーツを実際に測定してみました。 (DE-5000 は CAL で校正)

抵抗:10Ω

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抵抗:1KΩ

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抵抗:100KΩ

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セラミックコンデンサ:22pF

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マイラコンデンサ:0.033μF(33nF)

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フィルムコンデンサ:220pF

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電解コンデンサ:4.7μF

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電解コンデンサ:100μF

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マイクロインダクタ:22μH(0.022mH)

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マイクロインダクタ:330μH(0.33mH)

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多回転半固定抵抗:20KΩ

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トランジスタ:2SC1815

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MOSFET:BS170(Nch)

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温湿度センサ:DHT12(本体メニューは DHT11)

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チップ抵抗:10KΩ(測定パッド使用)

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周波数カウンタ

Hantek 2D42 から正弦波を出力して GM328A で測定しました。

100Hz

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1000Hz(1KHz)

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500KHz

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4MHz

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信号発生器(方形波)

GM328A の出力を Hantec DSO5102P で観測しました。 

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50Hz

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1000Hz(1KHz)

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10KHz

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100KHz

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1000KHz(1MHz)

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2000KHz(2MHz)

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その他にも、コンデンサの ESR の測定や、10bit の PWM が出力できたりと、低価格ながら必要十分な機能と性能があり、このテスターならこれからのハムの製作の強い味方になってくれると思います。

たった千円程度でこれだけの項目がチェックできるので、ちょっとしたキットのパーツチェックや動作確認で効果的に活用できるんじゃないかと・・・おススメです。