JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

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和文電信で聞く「金太郎」

今日のお題は誰もが知ってる童話の「金太郎(坂田金時)」です。  

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速度は 20wpm と遅めにして、BGM も付けました。(要、耳フィルタ)

  

 

さて、本日はアマチュア無線の CW 通信において、しばしば見受けられる“ある癖”についてお話ししたいと思います。

特に、エレキーを使用されている方に多く見られるこの癖とは、「わたし」と送信する際に、「わ」と「た」が連続してしまい、結果として「る」(-・--・)のように誤って送信されてしまう現象です。残念ながら、このような癖に陥ってしまう方は少なくありません。

同様の傾向は、「ありがとう」の「あ」と「り」を続けて送信してしまう場合にも見られます。また、「じ」や「ざ」などの濁音についても、同様の誤りが起こりがちで、「ざ」が「-・-・-・・」と、正しい符号からずれてしまうことがあります。

このような現象は、よく使う語句やフレーズにおいて、指が無意識に反応してしまうことが原因の一つと考えられます。興味深いことに、こうした癖は初心者よりも、むしろベテランのオペレーターに多く見られる傾向があります。初心者は訂正が多いものの、一文字ずつ丁寧に送信するため、かえって誤送信は起こりにくいのです。

CW 送信においては、常に一文字一文字に緊張感を持って臨む姿勢が極めて重要ですが、慣れによってその意識が薄れてしまうことが少なくありません。

アマチュア無線の交信は基本的に1対1の形式ですが、無線という特性上、実際には多くのリスナーがその電波を受信している可能性があります。交信の内容を学習や参考のために聴いている方も多数いらっしゃいます。

この状況を例えるならば、まるで観衆のいる大ホールでカラオケを披露しているようなものです。目の前に聴衆がいれば、誰しもが緊張感を持って丁寧に歌おうとするでしょう。それと同じく、どれだけパドル操作に慣れていても、「意識して丁寧に送信する」姿勢が求められるのです。しかし、それを忘れてしまうことも、正直なところあります。私自身、その例外ではありません。

一般にモールス信号は「受信が難しい」と言われがちですが、私はむしろ「送信」のほうが難しいと感じています。なぜなら、どれだけ正確に受信されても、自らの送信が相手に正しく伝わっていなければ、それは本当の意味での「通信(通心)」とは言えないからです。

それでは本日も、心を込めてパドル操作の修行に励みたいと思います。