ここ二日間、久しぶりに生まれ故郷・宮城(JR7FHN)へ帰省していました。
高速バスでの一人旅はなかなか堪えましたが、今日ようやく自宅に戻ってきたところです。
久しぶりの故郷の町は、数年前と比べても一段と静かになっていて、
かつて賑わっていた商店街も、唯一残っていた小さな本屋までシャッターが閉じたまま。
道を歩く人の姿もまばらで、お年寄りの散歩さえ見かけません。
子どものころは砂利道ばかりでしたが、人通りも多く、町に活気がありました。
いまは裏道まできれいに舗装されているものの、町全体がどこか元気を失っているように見えます。
きれいな道路と引き換えに、失ってしまったものの大きさを思い知らされました。
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昔は開けっ放しだった玄関も、今ではしっかり戸締まりをしないといけない時代です。
悪意ある詐欺のせいで、高齢の方が自分の子や孫からの電話さえ疑わなければならないなんて、
そんなところにも「田舎の寂しさ」が滲んでいるような気がしました。
無線小屋の整理が今回の目的
さて、今回の帰省の目的は、ラジオ少年時代に過ごした生家の無線小屋の整理でした。
かつての工作や実験の場だったその小屋も、いまではすっかり物置と化し、
床は「CQ誌」や「トラ技(トランジスタ技術)」、「無線と実験」などのバックナンバーの重みで抜けそうな状態です。
二日間という短い滞在でしたが、とりあえず応急処置として整理作業を行ってきました。
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まず手をつけたのは「トラ技」の処分です。
1970年代後半から1980年代のトラ技が、ミカン箱に何箱も詰まっていて・・・
現在は DVD でバックナンバーも販売されているので、思い切ってすべて処分しました。
続いて「CQ誌」。
こちらは 1960 年代後半(古い CQ 誌は収集品です)から 1980 年代まで保管してあったのですが、やはり思い入れが強く、こちらはどうしても処分できませんでした。
ミカン箱のひとつを開けて、中の CQ 誌をパラパラとめくってみたら、紙は黄ばみ、ところどころ傷みもあって・・・
「もしCQ誌もトラ技のようにバックナンバーをデジタル販売してくれるなら・・・」と考えつつも、最終的には自分で裁断してスキャンしようかという考えに至りました。このまま生家に置いたままでは、処分しているのと変わりませんしね。
次回の帰省では、裁断機とパソコン、スキャナを持っていくことになりそうです。
懐かしいコールブックとの再会
小屋を整理していたら、懐かしいダンボールの中から昔のコールブックが出てきました。
海外の DXer が掲載されている外国版のものや、日本のコールブックもありました。
この頃の日本のコールブックには、住所だけでなく生年まで載っていたんですよね。
個人情報なんてあってないような時代でしたが、どこか温かみがあって、いい時代だったなと思います。
ちなみに、このコールブックで、初代の JH1LHV は神奈川の OM さんだってことが分かり、チョット複雑な気持ちになったり・・・
今もご健在なのでしょうか、一度お会いしたいものです。Hi
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そのほかにも、宝山のパーツケースやディップメーターなど、懐かしい無線関連の道具もいくつか発見。
これらは新潟に送ることにしました。
ネットのない世界でノスタルジーに浸る
それにしても、私の田舎ではスマホもまだ 3G でしかつながらず、インターネット環境もありません。
ネット依存気味の私としては、軽く禁断症状が出そうな二日間でした。
それでも、古いハム関連の雑誌や機材に囲まれながら、過去にタイムスリップしたような感覚が味わえて、心がほっとする、そんなノスタルジックな帰省となりました。