JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

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抵抗(キンピ1%、カーボン5%)を補充する

AliExpress と Amazon から購入した、抵抗セットの精度を測定してみました。

リード抵抗の補充のため、中華と Amazon から抵抗を購入していたんですが、パーツケースに仕舞い込む前に、一度ちゃんと測定してみようかと、今回、重い腰が上がりました。

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わたしは、リード付きの抵抗なら、ちょっと小さめの 1/8W が好きなんですよね。

国内なら秋月電子で 1/6W 形状で 1/4W の金属皮膜抵抗(100本200円)を売っているんですが、これを E24 系列で全部揃えるとなると・・・金銭面で苦しいので・・・こういう安かろうな抵抗セット(2,500本で1,500円程度)で妥協しています。

AliExpress で購入した 1/8W ものの抵抗なんですが、これ、精度 1% のものをポチるつもりが、誤って 5% のものをポチってしまったんです。実は今、改めて再注文した 1% の抵抗セットの到着待ちなんですよ。

 

測定した抵抗

AliExpress と Amazon で購入した抵抗から、1Ω、100Ω、1KΩ、10KΩ、100KΩ を選択して、それぞれの 20本 すべてを測定しました。

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デジタルマルチメータ(DMM)の測定誤差について

今回の測定では、カウント数が 22000 の ET3240 という DMM を使いました。

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ET3240

それと参考程度ですが、普段使いの安価な DMM、カウント数 4000 の MS8268 の測定誤差も掲示しておきました。 

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MS8268

AliExpress の 100Ω 5% の抵抗の測定誤差について 

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ET3240 は 22000 カウントな DMM で、その測定誤差も ±0.16Ω と小さいので、今回の測定ではデジタル表示の読みをそのまま抵抗の値として信用して、調査を進めていきました。


ちなみに、安価な MS8268 の測定誤差は、以下のとおりです。

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100Ω の抵抗で ±1.4Ω もの測定誤差があるため、この DMM でキンピ 1% の抵抗を確認するには、少々厳しいものがあります。

Amazon の 100Ω 1% の抵抗の測定誤差について

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その点、ET3240 なら、100Ω の抵抗で ±0.16Ω 程度の測定誤差であり、キンピ 1% の抵抗でもしっかり確認することが可能です。

DMM では、各レンジの最大値までを、そのカウント数で計数しているので、カウント数が大きいほど確度は優れ、そして価格も高くなります。

(参考)ET3240 と MS8268 の、ニカド充電池の直流電圧における測定誤差の比較

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乾電池などの電圧チェックで、1mV の誤差を考える場面なんてほぼほぼないので、MS8268 のような精度の DMM で実用上は問題なしです。

測定開始

1Ω から 100KΩ の計200本、200回の測定を繰り返す必要があるので、ET3240 の ”Test Controller” というソフトウェアの Log 機能を使って測定していきました。

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Log 機能をオンにした状態で、20本の抵抗を順に測定していきました。

(測定結果)

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※ 赤セル:規格外れ

AliExpress で購入した 5% 抵抗のすべてが規格内でした。
Amazon で購入した 1% 抵抗は、ご覧のとおりの結果で、芳しくありませんでした。

Amazon の広告ではしっかり金属皮膜抵抗 1% と謳っているにもかかわらず、20本中、規格外のものが多数含まれているので、これではホントなら返品、返金ものだと思うのですが・・・まぁ、いずれも誤差としては 2% 以内だし、大きく規格からも外れていないので、ここはこのまま妥協しようかと思います。

回路上、精度が高い抵抗が必要になったら、少々手間ではありますが、その都度で DMM で確認しながら適合する一本を見つけることにします。

 

小さな抵抗の測定

1Ω などの小さな抵抗測定は、「4端子抵抗測定法」で測定する必要があります。

一般的なDMM では測定端子が2つの2端子測定しかできませんが、小さい抵抗の測定では、測定リードの導体抵抗や端子の接触抵抗がムシできなくなり、これが誤差となって加算されてしまうので、正しい計測ができません。

これに対して4端子測定が可能な ET3240 のような DMM では、定電流を供給する電流源端子2つと、電圧降下を検出する電圧検出端子2つの、計4つの端子を使って測定リードの影響を受けることなく測定することができます。(安価な DMM を2台組み合わせることでも、小さな抵抗を割と高精度で測定することはできます。)

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実際に、測定リードのプラスとマイナスをショートさせると 0.3Ω という導体抵抗があり、小さな抵抗の測定では、これがムシできなくなります。
(測定リード自体が抵抗を持っているということです。)

これが、ET3240 の4端子抵抗測定を使うと、4本の測定リードをすべてショートしたとしても、それらが影響されることなく、ちゃんと 0Ω と表示してくれます。

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このように、測定リードの影響を受けない状態にして、小さな抵抗を測定します。


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(測定結果)

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このデータからすれば、1% と 5% の抵抗、ほぼ全滅状態です。
もっと正確に知るためには、もう 1 桁 か 2 桁の精度がある DMM を使う必要がありますが・・・
もうこれ以上、このような低抵抗の測定にこだわることはないと思います。

実際のところは、4端子測定は面倒だし・・・
多少の誤差は覚悟しながら、普通に2端子を使って測定したデジタル表示を信用しながら、これからの電子工作はやっていくと思います。

まぁ、今回のように抵抗を買った時くらいしか、こんな4端子測定なんかやらないと思うので、ちょうどいい機会でした。

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ホントは全抵抗をこのケースに補充するところまでが今日の行程だったんですが、この記事をまとめるだけで疲れてしまいました。

メインの抵抗補充・・・また、何時になるやら。。。