JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

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日曜の東京 145MHz メインチャンネルの状況、1 年後の再測定

昨年(2025 年)の 1 月に、自宅の無線設備を使って 145 MHz メインチャンネルの運用状況を調査したことがありました。あれから 1 年半ほど、最近の状況はどうなっているのだろうと、ふと気になりまして。そこで昨日、去年とまったく同じように、自作のトラフィック測定プログラムを使ってもう一度調べてみることにしました。

東京にいると、まぁ 430 MHz なら毎晩どこかで何局かが交信している声を聴くことができます。ただ、たまに 144 MHz の様子も気になって FM バンドをワッチしてみるのですが、大概はバンド内が静まり返っていて、バンドスコープに髭(信号)が立つのを、ここのところほぼ見たことがありません。いったい今はどうなっているのか・・・ そんな素朴な興味から、昨日の日曜日、午後 2 時から深夜までの時間帯で、145 MHz 帯メインチャンネルの運用状況を測定してみました。

なお、今回は日曜日(休日)の測定です。去年の測定は平日(金曜)でしたので、単純な比較にはならない点、あらかじめお断りしておきます。

www.jh1lhv.tokyo

計測条件

(計測条件)

  • 測定期間:2026/07/26 14:00 ~ 2026/07/26 23:00
  • 周波数:145.000 MHz (メインチャンネル)
  • 無線機:IC-9700(CI-V 利用)
  • 計測ソフトウェア:Trafic Counter for IC-9700 v.0.01(自作)
  • 受信地:東京都調布市
  • アンテナ:6.0 dbi GP(2階の屋根上にルーフタワー)
  • 受信時間:3 秒以上の受信を計測
  • 受信入力:S3 以上の入力を計測

※ 都市雑音があるため、S3 以上の受信入力で 3 秒以上の継続受信をカウントしています。

過去の計測状況は、カテゴリータグ「トラフィック測定」から、ご覧ください。

測定結果、まさかの「オールゼロ」

さて、結果です。



時間帯 受信回数 合計時間 占有率
14:00〜15:00 0 00:00 0.0 %
15:00〜16:00 0 00:00 0.0 %
16:00〜17:00 0 00:00 0.0 %
17:00〜18:00 0 00:00 0.0 %
18:00〜19:00 0 00:00 0.0 %
19:00〜20:00 0 00:00 0.0 %
20:00〜21:00 0 00:00 0.0 %
21:00〜22:00 0 00:00 0.0 %
22:00〜23:00 0 00:00 0.0 %


ご覧のとおり、9 時間まるごと、受信回数はすべて 0 回、占有率はすべて 0.0 % でした。文字どおりの「オールゼロ」です。

去年(平日)の測定では、15:00〜16:00 の 1 時間だけ受信回数が 53 回とそこそこトラフィックがあり、それ以外の時間帯はほぼ静寂、そしてゴールデンタイムと呼ばれる 21:00〜23:00 でさえ占有率 0 %、という結果でした。「夜間でゼロとは驚いた」というのが去年の感想だったのですが、今年は、昼も夜もすべての時間帯で完全にゼロ。去年わずかに息づいていた昼下がりの賑わいすら、今回は跡形もありませんでした。

測定中、私自身も何度かバンドスコープを覗いてみました。しかし残念ながら、覗いたそのすべてで、交信している局は 1 局もいませんでした。IC-9700 のバンドスコープが、ただただ真っ平らなまま。この光景こそが、いまの東京の 2m FM の現実なのだと思います。

東京で開局する人は、2m のハンディ機を買ってはいけないのか

数字を眺めながら、私は悲しい気持ちになりました。

東京でこれからアマチュア無線を始めようという人が、真っ先に手にするのは、たいていハンディ機だと思います。ところが、こうして通信量を測ってみると、ビギナーハムのまずはワッチからと考えるとそのハンディ機の 2m メインチャンネルで電波を出している局は、そもそも誰もいない。トラフィックを測定して、まさか自分がこんな気持ちになるとは思ってもみませんでした。

昭和、平成初期のスキーブームの頃には、無線に興味のない人たちまでもが、仲間内の連絡用にと次々に免許を取り、知人との連絡を目的にハンディ機を使っていたものです。バンドはそれなりに賑やかでした。しかし今、純粋に無線そのものに興味を持って免許を取り、V/UHF のハンディ機を買ったとして・・・東京ですらこの閑古鳥状態では、誰とも会話できず、誰かの交信をワッチする機会にも恵まれません。

しかも都会では、アンテナを屋外に上げること自体がなかなか難しい。結局、ハンディ機付属のホイップアンテナで室内から運用するしかなく、それではいよいよ誰とも交信できないことに気づいて、絶望してしまうのではないでしょうか。

ハンディ機といっても、少しいいものだと 7 万円ほどします。だからといって、最初からいきなり HF 機を買って屋外にアンテナを設置するのは、初心者にはあまりに敷居が高いです。入り口であるハンディ機での交信ができないというのは、これはなかなか致命的な話です。

「それなら D-STAR で・・・」という声もあるかもしれません。ですが、D-STAR は運用上の制約からラグチューには向きませんし、そもそもチャンネルが結構たくさんあるぶん、ワッチしている局も分散してしまいます。結局、CQ を出しても応答がない、というのが正直なところの現状です。

この東京で新しく無線を始めようとする人に、はたして 2m のハンディ無線機を勧めるのが本当にいいことなのか・・・考えれば考えるほど、心苦しく、そして心配になってきます。せめて、近所に住む友達同士で一緒に無線を始められるなら、そこから少しずつ「無線沼」にハマっていってもらえるとも思うのですが。これは、なかなか大きな課題です。交信相手のいないハンディ無線機なんて・・・乱暴に言ってしまえば、ただの粗大ごみですからね。

おじいさん、おばあさんにこそアマチュア無線を

アマチュア無線人口を増やそうという話になると、どうしても「若い人の参入を」という方向に議論が向きがちです。それももちろん大切なことなのですが、私は以前から、おじいさん・おばあさん世代の参入を強く望んでいます。特に、定年を迎えたお年寄りにこそ、アマチュア無線はお勧めしたいのです。

アマチュア無線が、近所のお年寄りの井戸端会議の場になったっていいじゃないですか。ゲートボールがお年寄りの憩いの場になっているように、アマチュア無線もまた、お年寄りの憩いの場になってもいい。むしろ、そうなってくれたら素敵だと思うのです。

「話し相手がほしい」という気持ちは、世代を問わず誰もが持っているものです。そして、その気持ちにいちばん素直に応えてくれるのが、実はアマチュア無線という趣味なのかもしれません。楽しそうに交信するおじいちゃん・おばあちゃんの姿を、孫の世代が見て、「無線で誰かとつながるって面白そうだな」と思ってくれたら・・・静まり返ったバンドに、また少しずつ声が戻ってくる。今回のオールゼロという測定結果を眺めながら、そんな未来を、性懲りもなく夢見ています。