はじめに
電子工作や修理、測定作業をしていると、「プローブ2本で両手が塞がってしまう」という場面は誰しも経験があると思います。
- レンジを切り替えたい
- ダイヤルを回したい
- HOLD ボタンを押したい
……でも、両手はすでに赤・黒プローブでいっぱい。
今回、Thingiverseで公開されている Test meter wire holder を自宅の 3Dプリンターで造形し、実際に使ってみました。
結論から言うと、「これは一度使うと戻れない便利グッズ」です。
Test meter wire holderとは?
この治具は、テスターの赤・黒プローブを一体化して保持できるホルダー です。
プローブ2本を治具に取り付けることで、
- 2点測定を片手だけで行える
- もう一方の手が完全に空く
というのが最大の特徴です。

※ ちなみに、同じような治具は AliExpress にも沢山並んでいます。
実際に造形してみた
私の所有している 3Dプリンターで造形しました。
- 特別なサポート材は不要
- 形状はシンプル
- プリント難易度は低め
家庭用 3Dプリンター向けの非常に扱いやすいモデルです。

構造が簡単なので、50分程度で造形は終了しました。
プローブを装着してみる
手持ちのテスター用プローブを差し込んでみました。

プローブ間隔は「固定」ではなく「可変」
ここで面白いのが、この治具の構造です。
このテスタープローブホルダーは、バネのようにしなる構造 になっています。そのため、プローブ間隔は固定ではなく、手の握り具合によって自由に調整可能 という、非常に実用的な設計です。
この挙動は、両手でプローブを持ったときの「指の開き具合で自然に間隔を調整する感覚」にとても近く、直感的に使えます。
用途に応じた "間隔の目安"
間隔は自由に変えられますが、測定時の目安としては以下のような使い分けができます。
- スルーホール部品・電源測定 → 約5~10mm
- 2.54mm ピッチIC・ユニバーサル基板 → 約2~4mm
- SMD 部品・高密度基板 → 約1~2mm
1つの治具で、これらすべてに対応できるのは、このバネ構造ならではのメリットです。
実際の使用感:ここが便利!
✅ 片手で測定、片手で操作できる
最大のメリットはやはりここです。
- 片手:プローブ(測定点の保持)
- もう片手:レンジ切替、ダイヤル操作、HOLDボタンなど
測定点からプローブを離さずに操作できるのは、想像以上に快適でした。
✅ 測定点がブレにくい
2本のプローブを別々に持つ場合に比べて、
- 手の動きが安定する
- 接触がズレにくい
ため、測定値が落ち着いて表示される印象があります。SMD 部品や小さなテストパッドでは特に効果的です。
✅ 安全面でもメリットあり
- 無意識なプローブ交差
- 片手が筐体や GND に触れる
といったリスクが減り、操作動線が整理される = 安全性向上 という点も見逃せません。
「第三の手」としての価値
この治具は単なるホルダーではなく、測定者の手を1本増やしてくれる道具 だと感じました。
- 従来の両手測定:測定に集中するだけ
- 本治具使用時:測定しながら操作ができる
作業効率そのものが変わります。
電子工作・修理・測定を日常的に行う方には、ぜひ一度試してほしい 3Dプリント治具です。
「なぜ今まで無かったんだろう?」と思わせてくれる、実用度の高いアイテムです。