鉄腕アトムの時代はすぐそこまで来ていた!
昨日の金曜日、東京ビッグサイトで開催中の「2025国際ロボット展(iREX2025)」(12月3日〜6日)に行ってきました。

1974年の初開催から26回目を迎える世界最大級のロボットの祭典、今回は出展者数が過去最多の673社・団体という空前の規模。東棟の改修工事の影響で使えないホールがあるにもかかわらず、この数字なのですから、いかにロボット産業が熱を帯びているかがわかります。
会場は西1〜4ホール、東4〜8ホール、そしてアトリウムと広大なエリアに展開されており、帰宅後に歩数計を確認したところ、普段では考えられないような異常な数字を叩き出していました。足がパンパンです(笑)。
今年のキーワードは「フィジカル AI」
今回の展示で最も印象的だったのは、多くのブースで「フィジカル AI」をテーマに掲げていたことです。フィジカル AI とは、生成 AI や大規模言語モデルを物理的なロボットに結びつけ、現実世界で「理解・判断・行動」を自律的に行わせる技術概念。要するに、ChatGPT のような賢さを持ったロボットが、実際に手足を動かして作業できるようになる、ということです。
NVIDIA がその中心にいて、12月1日には FANUC と「フィジカルAI」戦略パートナーシップを発表したばかりです。会場でも、安川電機やファナックといった産業用ロボットの世界トップ企業が NVIDIA の技術基盤を採用しており、安川電機のブースでは「人のように考え・動く AI ロボティクスの最新ソリューション」 NVIDIA が披露されていました。
アマチュア無線家的な視点で言えば、これはソフトウェア無線(SDR)の発想に近いものを感じます。ハードウェアはそのままに、ソフトウェアのアップデートで機能が進化していく。ロボットの世界でも同じことが起きようとしているのだと思いました。

NVIDIA の革ジャンこと、社長兼 CEO の "ジェンスン・フアン" のサインだそうです。
二足歩行ヒューマノイドの最前線
私が特に足を止めたのは、人間に近い形を持つ「二足歩行するヒューマノイドロボット」のブースです。

2025年は「ヒューマノイドロボット元年」と呼ばれる可能性があり、これまで未来技術の象徴であった人型ロボットが具体的な労働力として提示される場面が多く見られました。中国 AgiBot のブースではヒューマノイドによる滑らかな動きのダンスが披露され、その動きの自然さに驚かされました。なんと AgiBot は年間5000台超の量産体制を目指しているというのですから、もはや実験室の試作品ではなく、実用フェーズに入っているのです。
川崎重工のブースでは、ソーシャルロボットの「Nyokkey」と「Friends」がブース内の展示物を紹介していました。話しかけると丁寧に説明してくれる姿は、まさに SF 映画で見た未来の光景そのもの。また、大阪・関西万博で評判だったロボティクス技術を活かしたパーソナルモビリティも展示されており、4脚の悪路走行性能とモーターサイクルで培った操縦性を兼ね備えたその姿には感動しました。
手塚治虫の夢から25年
手塚治虫が鉄腕アトムを発表して50年以上。手塚先生は西暦2000年にはアトムのようなロボットが誕生すると語っていたそうですが(この年、Honda が ASIMO を発表しました・・・)、そこから25年経った今、ようやくその夢が現実味を帯びてきました。
会期初日には「ヒューマノイドロボットフォーラム」がメインイベントとして開催され、業界全体がヒューマノイドの実用化に本腰を入れていることが伝わってきました。技術的な課題だけでなく、法規制、安全性、倫理的な側面まで議論されているとのことです。
あと数年後には、街中でロボットの犬や猫と散歩する人を見かけるかもしれません。飼い主の生活をすべて学習した AI ロボットが、今一番必要なアドバイスをくれたり、ズレのない話し相手になってくれたり。高齢化社会において、これは相当な癒しになるのではないでしょうか。

ロボットと人間が共存する時代は、もうすぐそこまで来ています。