CW Decoder(M5StickC Plus2)の新バージョンをリリースしました。
皆様からいただいた貴重なご意見・ご要望を参考に、CW Decoder に新機能を追加いたしました。今回のアップデートでは、操作性の向上と視認性の改善を中心に、5つの新機能を実装しています。
なお、既存機能の詳細については、過去の記事をご参照ください。
1. LED 点滅によるモールス符号の視覚表示
M5StickC Plus2 に内蔵されている LED が、受信したモールス符号に同期して点滅するようにしました。短点では短く、長点では長く点灯することで、視覚的に符号のタイミングを確認したい方に便利です。
操作方法:
- C ボタンのダブルクリックで、LED 点滅機能のオン/オフを切り替えられます。
- 画面下部の情報表示エリアに現在の設定状態が表示されます。
- オフ時:○(白丸)
- オン時:●(黒丸)
2. バッテリー残量の表示
画面下部の情報表示エリア右端に、バッテリー残量をパーセンテージで表示する機能を追加しました。これにより、運用中でも電池切れのタイミングを予測しやすくなり、フィールド運用時の電源管理が容易になります。
3. 特殊符号の表示対応
CW で使用される特殊記号の表示に対応しました。
以下の特殊符号を表示します。
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欧文:<HH>、<BT>、<AR>、<VA>
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和文:<ホレ>、<ラタ>
これらの特殊符号は、通常の文字と区別するため < >(山括弧)で囲んで表示されます。
4. 前回の設定を自動保存・復元する機能
前回終了時の設定を自動的に保存し、次回起動時に復元する機能を追加しました。これにより、毎回同じ設定をし直す手間が省け、すぐに運用を開始できます。
保存される設定項目:
- 欧文/和文モード
- LED 点滅機能の状態(○/●)
- 文字サイズ(小/中/大/特大)
- マイク感度(レベル1/2/3)
- デコード対象周波数(500Hz ~ 900Hz)
5. 起動時のデコード精度向上
従来は起動直後の数文字が正しくデコードされない場合がありましたが、今回のアップデートでは、デコードに必要な各種パラメータを終了時に保存し、次回起動時に読み込むことで、最初の1文字目から高精度でデコードできるよう改善しました。
特に、符号速度が一定の局を聞く際に効果を発揮します。
実際のデコード状況
CW Decoder 起動からのデコード状況です。
『和文電信で聞く「子ども向けニュース」~436~』をデコード
各ボタンの機能
各ボタンの短押し、長押し、ダブルクリック時の機能は以下の通りです。
和文受信中のカッコ内は、欧文で表示します。
欧文中の特殊符号「ホレ」の受信で、それ以降は和文としてデコードします。
バイナリファイルの書き込み手順
M5StickC Plus2 にプログラムのバイナリを書き込む方法を、改めてご案内します。
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M5StickC Plus2 をパソコンに接続
※事前に通信ポート(COMポート)が正しく認識されている必要があります。
※USB シリアルポートドライバのインストールは、このサイトが参考になります。 -
メールで送付された URL から ZIP ファイルをダウンロードし、解凍
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解凍したフォルダ内の「WriteBinarry.bat」を実行
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表示されるプロンプトに、M5StickC Plus2 の COM ポート番号を入力して Enter キーを押す
以上で、バイナリの書き込みが始まります。進行状況が表示され、100% に達すると正常に書き込みが完了します。
利用中のユーザー様へのバイナリの配布について
すでにご利用中のユーザーの皆さまには、アップデート版のダウンロードリンクを個別にメールでお送りいたします。本記事公開から1週間を経過してもメールが届かない場合は、お手数ですが当方までメールでお問い合わせください。
頒布について
@700円
バイナリファイルはメールでお送りいたします。
ソフトウェアの起動時に表示されるコールサインは、頒布をご希望される皆様のコールサインに変更したバイナリを作成いたします。お申し込みの際には、必ずご自身のコールサインをご記入ください。
サイドバーの から、お問い合わせ下さい。
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今後も皆様のご意見を参考に、より使いやすいツールへと改良を重ねてまいります。ご要望やご感想がございましたら、お気軽にお寄せください。