これまでチップ部品のハンダ付けはホットエアガンでやってましたが、最近、ReflowR というリフローマシンを入手したので、今日はそのご紹介です。
趣味の世界ではトースターをトライアックで制御してリフロー化するのが一般的なようですが、トースターによっては熱が均一にならないとか、ガタイも大きくなるので・・・これは、止めました。
それになにより、そこまで大きな基板をリフローすることもないと思うので、今回は場所をとらないこの小さな ReflowR を導入することにしました。
これで、チップ部品のハンダ付けも楽々できるように・・・なるはずです^^
http://www.reflowr.com/index.html
本体の大きさは、155 mm × 85mm で、高さは 95mm。
実際にリフローできるエリアば、最大で 11cm×8cm といったところでしょうか。
商品の作りは多少雑なところがあり、一台ずつ手作りしました、って感じです。
といっても、アルミの厚みもそれなりにあるので、これなら熱は均一に伝わってくれると思います。
裏側です。
白く飛び出てるものは Wi-Fi のアダプタになります。
底面にはファンの通気口があけてあります。
本体とは別に、kタイプ熱電対、基板を固定するためのクランプ、テスト基板とパーツ一式なんかも付属してきました。
ということで、テスト基板を使って試運転してみました。
同梱されてきた説明書の通りに、基板にチップ部品を配置します。
リフローする基板を細長い2枚の基板で挟み込んだ後、動かないようにテープで固定します。
基板のランドに合うようにステンシルをピッタリ合わせます。
付属のクリームハンダをステンシルに盛り、アルミのへらで薄くのばします。
ステンシルのラウンド以外にクリームハンダが残らない程度に力を入れてへらをこすりつけるのがコツのようです。
ステンシルがあるとハンダの量は適量になるので、ブリッジなどの失敗は軽減することができます。
ちなみに、BGA ですが標準的なパッケージのステンシルを何枚かストックしています。
こんな感じに、クリームハンダを塗布することができました。
チップ部品は、0603 (1.6mm × 0.8mm)と小さいので・・・
スコープの使用は必須ですね。
チップの値はスコープの倍率を上げて確認しておきます。
ピンセットを使ってパーツを置いて・・・リフロー準備は整いました。
リフローは本体の赤いボタンだけで起動できます。
Android アプリを使って Wi-Fi 接続すれば、温度変化をリアルで確認することができます。
付属の kタイプ熱電対を基板やパーツに取り付ければリフロー温度と併せて確認できますが、今回は取り付けませんでした。
ちなみに、本体の赤ボタンだけで操作する方法は、以下のとおりです。
- ボタンを1回で、キャンセルして 60℃ に冷却
- ボタンを2回で、現在の温度を保持
- ボタンを3回から5回が、鉛ハンダのリフロー
- ボタンを6回又は7回が、鉛フリーのリフロー
リフロー中で過熱している時は数秒ごとにビープを鳴らします。
ボタンを押し間違えたりすると使用するプロファイルが変わっちゃったりするので、やっぱりリアルに温度が確認できるタブレット接続がいいと思います。
ただし、提供されている Wi-Fi 接続アプリのネットワークセキュリティがオープンしたままとなるので、このままでは外部から簡単に操作されてしまいます。
使わない時は、必ず ReflowR の電源は切っておく必要があります。
ウェブのチュートリアル動画では ”reflow mid" を選んでいたので、ここはなに考えずに私も同じ "reflow mid" のプロファイルを選択しました。
プロファイルはユーザでも作れるので、普段使っているクリームハンダの成分やパーツが破損しない適切な温度を調べるなどして、あらかじめ作成しておくといいかもしれません。
リフローで加熱する温度条件はなかなかシビアで、ピーク温度と加熱時間が適切じゃないとパーツが燃えちゃったりするので注意が必要です。
もう少しだけ、ピーク温度は高くてもいいように思いますが。。。
冷却が緩やか過ぎるので、本加熱終了後に基板をプレートから外して、直接冷やすのもありかと思います。
リフロー後の基板です。
ハンダに艶もあり、ちゃんとリフローできたと思います。
電池ホルダーを取り付け。
ボタン電池をはめたところ、基板のチップ LED がもの凄い速さで点滅してくれました。
成功です。
ということで、ReflowR のリフロー、ちゃんと動作することがわかりました。
これで、0603 とかの小さなチップも・・・ReflowR でバッチリいけそうです。Hi