Arduino でスケッチ書いていて困ることがあります。
それはデバッグ環境が貧弱なこと。
Arduino IDE でデバッグするためには、Serial.begin でパソコンとのシリアル通信の速度設定をして、Serial.println を使って変数の内容を出力させる必要があります。
この方法だと、少々複雑なスケッチの変数の中を確認するために余分なコードを書いたりと、多少の工夫が必要だったりで何かと面倒です。
もう少しまともなデバッグはできないものでしょうか・・・
ということで、本日は、Arduino のまともなデバッグ環境構築の備忘録です。
Visual Studio Community 2015 のプラグインを使います。
基本的にはこのサイトに書かれている通りにするだけです。
以下、Visual Studio Community 2015 はインストール済みの前提です。
1. 先ずはプラグインのダウンロード
visualstudiogallery.msdn.microsoft.com
「ダウンロード」リンクをクリックしてインストーラーの ”Visual.Micro.Arduino.Studio.vsix” をダウンロードします。
2. プラグインのインストール
ダウンロードした ”Visual.Micro.Arduino.Studio.vsix” をダブルクリックで起動します。
「インストール」ボタンでインストールを開始します。
正常にインストールが終了すると、このメッセージボックスが表示されます。
3. Arduino が使えるように環境を設定する
Visual Studio Community 2015 を再起動すると、Visual Micro のライセンスダイアログが出ます。
このプラグインは基本機能は無料ですが一部機能は有償で、30日間のトライアルが使えるようになっています。
ここは「OK」ボタンで次に進むことに。
すると下のような Config ダイアログが開きます。
インストールしている Arduino IDE のバージョンとパスを設定します。
(勿論、Arduino IDE はインストールしている前提です。)
4. 実際に使ってみる
Visual Micro Arduino Studio がプラグインとして認識されると、メニューに「Visual Micro」が追加され、インストール済みの Arduino や書込装置が選択できるコンボボックスが 表示されます。
コンボボックスで設定できる項目は、メニューの 「Visual Micro」でも設定することができます。
使用する Arduino のバージョンと、ボードの種別、そして Arduino が接続されている通信ポートを設定します。
ここでは定番の L チカ でデバッグを試してみることにするので、Arduino サンプルフォルダから blink.ino を選択します。
メニューの「ファイル(&F)」>「新規作成(&N)」の「Arduino Project」からサンプルスケッチを選択します。
サンプルスケッチの blink.ino を読み込んだ状況です。
F7 でビルドすれば、いつも通りに Arduino の LED が1秒間隔で点滅を繰り返します。
5. デバッグ機能を使ってみる
Arduino IDE と同じようにシリアルモニターも使えますが、ここはやっぱりデバッグ機能を使ってみます。
詳しいユーザガイドはこちら。
残念ながらこのデバッグ機能は有償になります。
試用期間終了後も永続的に使うためには送金してシリアルキーを入手する必要があります。
ホビーライセンス(1台)は $23 です。
デバッグできる快適さに比べたらこの $23 は随分お安いと思います。
わたしは、速攻で有償化しました。
このプラグインのお陰で普段使い慣れた Visual Studio を使って、まるで C# でも開発しているような感覚で Arduino のスケッチをデバッグすることができるようになりました。
今回は、サンプルスケッチの選び方を失敗してしまいました。
Blink.ino じゃデバッグしている様子がよく分かりませんね。
動作によって変数の値が変化するようなサンプルスケッチを使えばよかった。
最後の最後に、それもデバッグの肝心なところで中途半端な内容になってしまいましたが、Arduino を触っているという方には、このプラグインの素晴らしさは分かっていただけたのではないでしょうか。