昨日の続きです。
今日は CW MANIA を使って、
バグキーで送信しているように聞こえるモールスを作ってみる、そんな実験です。
「えっ、本当にバグキーのような符号が作れるの?」
「ん~、どうでしょう。やってみないと分かりません。。。」
まず、バグキーから送信される符号の特長ですが、
- 短点が高速
- 短点の比率に対して長点が長い
があります。
バグキーの構造上の問題なのか、ワザとなのかは分かりませんが、バグキーを使っている多くのハムが、この傾向にあると思います。
特に高速向けに設計されているバイブロのバグキーではこの傾向が顕著です。
短点をメカの力を借りて連続で送出するバグキーの短点の速度は、重りの位置を調整することで変化しますが、送信する速度を考慮しながら、短点の速度をいちいち再調整するのは面倒なので、遅いモールスでも、速いモールスでも、短点速度はいつも一定になりがちです。
いったん重りを調整すると、あとは触ることもなく、モールスの速度調整は、長点の長さと、符号と符号の間隔だけになってしまいます。
本来ならば、面倒でも1回1回、相手の速度に合わせて短点速度を調整する必要があるのです。
ところが、スピードに合わせてこんな調整をする人は・・・まぁ少ないんじゃないでしょうか。
ならば、低速用、中速用、高速用で短点速度が調節されているバグキーを3台用意して相手の速度に合わせて使い分ける。
こんな対策もあろうかと思いますが、これは金銭的な面からも現実的な話ではありません。
実はエレキーをエレバグとして使えば、こういうことが簡単にできるのですが、何故か、エレバクは人気はありません。。。
このように短点速度が自由に調節できないバグキーですが。
バグキー導入当初に一番馴染む速度で調整した短点速度のまま使い続けることになるため、調整時の速度以外では、短点と長点の比率が1:3にならないため、なんか妙な違和感を感じてしまうのです。
この違和感を違和感と感じさせないようにバグキーを叩くのが「腕」の見せどころなのかもしれませんが、これには相当な熟練が必要になるでしょう。
調整済みの短点速度と違った速さで送信する時は、長点の長さを1:2や1:6のように変えたり、符号と符号の間隔を空けるなど、短点速度との帳尻を合わせる作業が必要です。
バグキーではこの帳尻合わせのための「長点の出し方」がとても難しいのです。
この長点の出し方が下手だと本当に聴き取りにくいモールスになってしまいます。
その点、熟練者の「長点の出し方」は絶妙で、間のとり方や、リズムに違和感を感じることはありません。
ということで、
本日のモールスは、「バグキーを始めたばかりの初心者」をイメージして作りました。
- 速度は 30 wpm
- 短点と長点の比率を 1:6
- 符号間の間隔を標準プラス1(4短点分)
多少の違和感はあると思いますが、
- 短点が高速
- 短点の比率に対して長点が長い
という、バクキーの特長はよく出ていると思います。
異論はあると思いますが、まぁこれも受信練習のひとつだっと思ってお付き合いください。
それでは、違和感だらけのヘボ・バグキーのはじまりです。
~素材は「天声人語:朝日新聞デジタル」(20131218)から~
- 30wpm 1:6 標準+1
どうでしょうか。
多少はバグキーらしく聞こえたでしょうか。
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今日の実験を通して思うことですが、やはりバグキーでも、短点と長点の比率は1:3で送信するべきです。
バグキーだからといって、短点、長点の比率を無視してよいわけではなく、むしろ、正確な1:3のモールスで送信することが大切です。
長点に自由度があるバグキーを操ることは、それなりに魅力的なことですが、まずはデフォルトの自分の送信速度で1:3になるように短点速度を調節する。
バグキーでも1:3。
この基本を忘れないように・・・練習を重ねている、今日このごろです。